「集塵機」とミストコレクターの違いを完全解説|掃除機との比較も
「”集塵機”とミストコレクターって、何が違うの?」そんな疑問をお持ちではありませんか?
実は、集塵機とミストコレクターは、吸引対象・用途・構造が大きく異なる装置です。違いを理解しないまま導入すると、期待した効果が得られないばかりか、機械の故障や環境汚染につながる可能性もあります。
そこで本記事では、集塵機とミストコレクターの違いについて、用途・吸引対象・使い分けのポイントをわかりやすく解説します。

また、記事の最後には番外編として、集塵機と掃除機の違いについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
1. 「集塵機」と「ミストコレクター」の3つの違い
集塵機とミストコレクターは、以下の3つの重要な違いがあります。
集塵機とミストコレクターの違い:
つまり、吸引する「もの」の性質が全く異なるため、機械の構造や捕集方法も大きく異なるのです。
次の章から、それぞれについて詳しく解説していきます。
2. 「集塵機」とは|粉塵を捕集する装置
特徴と役割
集塵機とは、ものづくりの加工時に発生する「粉塵」を吸引・捕集し、清浄化した空気を排気する装置です。
用途に応じて様々なタイプの機種が販売されています。
集塵機の使用例:
- 工場全体の換気に使われる大きなもの
- 特定の工作機械に取り付けられるもの
- 家庭用の空気清浄機
集塵機が必要とされる理由
粉塵は、工場でいろいろな材料の加工作業を行うことにより発生します。
そのまま放置すると、以下のような問題が生じます。
粉塵を放置した場合の問題:
- 工場内に粉塵が舞い、蓄積する
- 作業者が舞った粉塵を吸い込み、健康被害が出る
- 周辺機器に粉塵が付着し、故障や劣化が起きる
- 製品品質の低下
そこで集塵機を導入することで、発生した粉塵を吸引・捕集し、工場内をクリーンに保つことが可能になります。
集塵機の種類
集塵機には、以下のような特殊な仕様のものがあります。
特殊な集塵機の種類:
- 防爆型集塵機:爆発の恐れがある粉塵(金属粉など)に対応
- 公害対策仕様集塵機:アスベスト(石綿)などの環境を汚染する粉塵に対応
加工内容や粉塵の性質に応じて、適切な集塵機を選定することが重要です。
3. 「ミストコレクター」とは|オイルミストを除去する装置

特徴と役割
ミストコレクターとは、金属加工における工作機械での切削時に発生する「オイルミスト」を吸引・除去できる装置です。
ミストコレクターを導入し、工場環境が改善されると、以下のようなメリットが生まれます。
ミストコレクター導入のメリット:
- 従業員の健康維持と疾患予防
- 作業の効率化と生産性向上
- 機械設備の故障リスク低減
- 企業のイメージ向上と社会的責任(CSR)実現
ミストコレクターの基本構造
ミストコレクターは、集塵機とは異なり、液体(オイルミスト)を気体と液体に分離し、捕集するという複雑なプロセスが必要です。
そのため、集塵機よりも高度な技術が用いられています。
ミストコレクターについて詳しく知りたいお客様は、以下のページをご参照ください。
関連記事: 「ミストコレクター」とは?3つの種類と設置方法を完全解説【導入ガイド】
4. 「集塵機」と「ミストコレクター」の使い分け|選定ポイント
では、実際に導入を検討する際に、どのように選択すればよいのでしょうか。
結論からいうと、集塵対象の違い、つまり「何を吸引するのか」によって選択が決まります。
集塵機を選ぶべき場合
集塵対象: 粉塵、木くず、金属くず(固体)
具体的な加工例:
- 木を切る加工(木工加工)
- 金属を削る加工(ドライ加工)
- 樹脂を加工する作業
特徴: 切削油を使用しない加工時に発生する固体粒子を吸引・捕集するため、集塵機が最適です。
ミストコレクターを選ぶべき場合
吸引対象: 飛沫(しぶき)、ミスト、煙(液体)
具体的な加工例:
- 金属加工(マシニングセンター、NC旋盤での切削)
- 水溶性・油性に関わらず切削油を使用する加工
- 研削加工(研削盤での研削)
特徴: 金属加工時に使用する切削油が機械の稼働によって発生、飛散するオイルミストを吸引・除去するため、ミストコレクターが必須です。

5. 「集塵機」で吸引・捕集できる『粉塵』とは?
粉塵の定義
「粉塵」とは、空気中に浮遊している固体の細かい粒子状の物質すべてについての名称です。

粉塵の分類と特性
粉塵には、様々な大きさや成分があり、粒子サイズによって分類されます。
粉塵の分類:
粉塵による健康被害
人間が粉塵を長期間吸い込み続けることで、以下のような疾患が発生する可能性があります。
粉塵による主な疾患:
- じん肺(珪肺、石綿肺など)
- 肺腫瘍
- ぜんそく
- アレルギー性疾患
そのため、集塵機を活用して粉塵を早期に吸引することが重要です。
6. 「ミストコレクター」で吸引・捕集できる『オイルミスト』とは?
オイルミストの発生メカニズム
**「オイルミスト」**は、工作機械に使用される潤滑油が、機械の稼働によって飛散されることにより生じ、微粒子化して空気中に浮遊した油のことを指します。

オイルミストが多く発生する加工条件
潤滑油が高いせん断を受ける以下の加工方式では、特に多量のオイルミストが発生します。
オイルミストが多く発生する加工条件:
- 高圧給油加工
- 高速切削加工
- 研削加工
オイルミストによる影響
こうして発生したオイルミストは、人体、作業環境、地球環境に深刻な悪影響を及ぼします。
オイルミストによる具体的な影響:
- 人体への影響:呼吸器系の疾患、目の充血、皮膚疾患
- 作業環境への影響:視界の悪化、床面の滑りやすさ、機械故障のリスク
- 地球環境への影響:大気汚染、エネルギー消費増加
しかし、オイルミストは目に見えにくいため、ミストコレクターでしっかりと吸引・除去する必要があるのです。
オイルミストによる健康被害や作業環境・地球環境への影響について、詳しく知りたいお客様は以下のページをご参照ください。
関連記事: 「オイルミスト」の悪影響とは?人体・環境など3視点で完全解説
7. 番外編|「集塵機」と「掃除機」の違い
ここまで記事を読んでいただけた方の中には、「掃除機と集塵機の違いって?」と疑問に思われている方もいるでしょう。
実は、集塵機と掃除機は、用途・構造・仕様が大きく異なります。
用途による違い
集塵機: 粉塵が空気中に飛散しないように吸引・捕集し、きれいな空気にすることが目的
掃除機: 床のホコリやゴミの吸引清掃が目的
つまり、集塵機は「環境改善」を目的とし、掃除機は「清掃」を目的としているのです。
構造・仕様による違い
集塵機と掃除機には、以下のような仕様の違いがあります。
集塵機と掃除機の仕様比較:
選定のポイント
結論として、以下のように選定します:
集塵機を選ぶべき場合
- 工場内で継続的に粉塵が発生する
- 長時間の連続運転が必要
- 大量の粉塵を処理する必要がある
掃除機を選ぶべき場合
- 家庭内での日常清掃が目的
- 小量のゴミ・ホコリの処理
- 短時間の使用が前提
8. まとめ|集塵機・ミストコレクター・掃除機の役割を理解する
今回は、集塵機とミストコレクターの違い、そして番外編として掃除機との違いについて詳しく解説しました。
3つの装置の違いまとめ
改めて整理すると、以下の通りです:
【集塵機】
- 吸引対象:粉塵、固体粒子
- 用途:ドライ加工の環境改善
- 構造:フィルタによる粉塵捕集
【ミストコレクター】
- 吸引対象:オイルミスト、液体
- 用途:ウェット加工の環境改善
- 構造:分離・捕集によるオイルミスト除去
【掃除機】
- 吸引対象:床のゴミ・ホコリ
- 用途:日常清掃
- 構造:高圧吸引による小規模清掃
正しい装置選定がもたらすメリット
本記事で紹介した集塵機・ミストコレクター・掃除機の違いについてしっかりと理解し、自社に応じた合ったものを選ぶことで、以下のメリットが実現できます:
- 従業員の健康維持:適切な環境改善による疾患予防
- 生産性向上:クリーンな作業環境による効率化
- 機械設備の保護:故障リスク低減とメンテナンスコスト削減
- 企業イメージ向上:環境配慮の姿勢を示すCSR活動
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