溶接現場の換気方法とは?3つの方法と溶接ヒューム対策を解説!

ヒュームコレクター
アイコン 投稿日: 2023/7/11 アイコン 更新日: 2026/9/17

溶接現場の換気は、作業場に溶接ヒュームが滞留するのを抑えるための基本的な対策です。

金属アーク溶接等作業を行う屋内作業場では、溶接ヒュームを減少させるため、全体換気装置による換気またはこれと同等以上の措置が求められます。

ただし、換気方法にはそれぞれ役割があります。発生源付近から吸引する局所排気、気流でヒュームを導くプッシュプル型換気、作業場全体の空気を入れ替える全体換気では、向いている現場や注意点が異なります。

本記事では、局所排気・プッシュプル型換気・全体換気の違いを中心に、ヒュームコレクターとの役割分担まで整理します。

溶接現場の換気方法と溶接ヒューム対策を解説するイメージ

KEY POINTS

換気方法は「どこでヒュームを減らすか」が違う

局所排気

発生源の近くから吸引する。

プッシュプル型換気

気流でヒュームを一定方向へ導く。

全体換気

作業場全体の空気を入れ替えて希釈する。

まず確認|溶接現場で換気が必要になる理由

金属アーク溶接等作業を行う屋内作業場では、溶接ヒュームを減少させるための換気等が必要です。

特定化学物質障害予防規則では、全体換気装置による換気の実施、またはこれと同等以上の措置を講じることが定められています。

また、金属アーク溶接等作業を継続して行う屋内作業場で、新たな作業方法を採用・変更する場合には、溶接ヒューム濃度を測定し、その結果に応じて換気装置の風量増加など必要な措置を講じます。

濃度測定や呼吸用保護具の選定は別の記事で詳しく扱っているため、ここでは換気方法そのものに絞って解説します。

溶接現場で使われる3つの換気方法

代表的な方法として、局所排気・プッシュプル型換気・全体換気があります。

どの方法が適しているかは、溶接位置が固定されているか、作業者が移動するか、設備スペース、周囲の気流などによって変わります。

工場の壁面に設置された換気扇

METHOD 01

局所排気

発生源に吸込フードを近づけて捕集する。

METHOD 02

プッシュプル型換気

吹出しと吸込みの気流でヒュームを導く。

METHOD 03

全体換気

作業場全体の空気を入れ替えて希釈する。

方法1|局所排気で発生源の近くから吸引する

局所排気は、ヒュームの発生源に吸込フードを設け、広がる前に吸引する方法です。

発生源の近くで捕集するため、作業場全体へ拡散する前にヒュームを処理しやすい点が特徴です。

フードの位置が効果を左右する

特に重要なのが、発生源と吸込フードの距離です。離れすぎるとヒュームを十分に吸い込みにくくなるため、溶接位置や作業姿勢に合わせて配置します。

そのため、導入時はフード形状、ダクト、必要風量、作業スペースなどをまとめて確認する必要があります。

向いている場面

発生位置が比較的決まっており、フードを近づけやすい現場。

確認したい点

設備スペース、ダクト経路、作業性、フード位置。

方法2|プッシュプル型換気で気流をつくる

プッシュプル型換気は、吹出し側と吸込み側の気流を利用し、ヒュームを一定方向へ導いて排気する方法です。

一方から空気を送り、反対側で吸い込むことで、作業空間を通る気流をつくります。

作業範囲をカバーしやすい反面、設備条件を確認する

局所排気のフードを発生源へ近づけにくい作業でも、気流を利用してヒュームを移動させやすい場合があります。

ただし、吹出し・吸込み設備が必要になるため、設置スペースや設備規模、周囲の気流への影響も確認します。

向いている場面

ある程度の作業範囲を気流でカバーしたい現場。

確認したい点

吹出し・吸込みの配置、設備スペース、作業への影響。

方法3|全体換気で作業場全体の濃度を下げる

全体換気は、作業場へ外気を取り込み、ヒュームを含む空気を入れ替えることで濃度を下げる方法です。

局所排気やプッシュプル型換気のように、発生源そのものを直接捕集する方法ではありません。

そのため、作業場全体の空気を入れ替える対策として使います。

導入しやすい一方、ヒュームの流れを確認する

全体換気では、給気位置と排気位置、建屋内の気流によってヒュームの流れ方が変わります。

例えば、排気までの経路上に別の作業者がいると、ヒュームがその作業エリアを通過する可能性があります。周囲や建屋外への影響も含めて検討します。

向いている場面

作業場全体のヒューム滞留を抑えたい現場。

確認したい点

給排気位置、建屋内の気流、周囲・屋外への影響。

3つの換気方法を比較

3つの方法は、ヒュームを減らす場所と設備の考え方が異なります。

局所排気
発生源付近から吸引
フード位置・ダクト・作業性を確認
プッシュプル型
気流で吸込み側へ導く
設備規模・配置・周囲気流を確認
全体換気
作業場全体を換気・希釈
給排気位置・滞留・屋外への影響を確認

どれか一つを機械的に選ぶのではなく、溶接位置、作業範囲、作業者の動線、設備スペース、周囲の気流を見ながら判断します。

換気とヒュームコレクターはどう使い分ける?

同じ「ヒューム対策」でも、換気設備とヒュームコレクターでは役割が異なります。

換気は作業場内の空気を動かして濃度を下げる対策です。一方、ヒュームコレクターは発生源付近からヒュームを吸引・捕集する対策です。

そのため、換気だけでは発生源付近のヒュームを十分に抑えにくい場合に、ヒュームコレクターを組み合わせる考え方があります。

溶接ヒュームを発生源付近で吸引するヒュームコレクター

発生源へ近づけて使えるかが重要

ヒュームコレクターも、吸引口が発生源から離れすぎると十分に捕集しにくくなります。溶接姿勢やワーク形状が変わる現場では、吸引位置を調整しやすいかも確認します。

なお、火花やスパッタを吸い込む可能性があるため、装置選定では現場の火花量や防火対策も重要です。

ONIKAZEのヒュームコレクター

赤松電機製作所では、溶接ヒューム対策向けにFSMシリーズとFM-220を展開しています。

オニカゼ ヒュームスモーカー FSM の製品ロゴ

COMPACT FUME COLLECTION

ヒュームスモーカー FSM

小型ヒュームコレクター ヒュームスモーカー FSM の製品外観

小型・100Vで、作業場所へ導入しやすいシリーズです。

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オニカゼ スーパーコレクター FM-220 の製品ロゴ

FIRE SAFETY & FUME CONTROL

スーパーコレクター FM-220

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乾湿複合型で、火災事故防止を重視したシリーズです。

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よくある質問|溶接現場の換気方法

換気方法を検討するときによく確認されるポイントをまとめます。

換気方法に関する質問

Q.溶接現場ではどの換気方法を使えばよいですか?
局所排気、プッシュプル型換気、全体換気にはそれぞれ特徴があります。溶接位置、作業範囲、設備スペース、周囲の気流などを確認して選びます。
Q.局所排気と全体換気は何が違いますか?
局所排気は発生源付近からヒュームを吸引する方法です。全体換気は作業場全体の空気を入れ替え、ヒューム濃度を下げる方法です。
Q.プッシュプル型換気はどんな方法ですか?
吹出し側から空気を送り、反対側で吸い込むことで、ヒュームを一定方向へ導いて排気する方法です。

ヒュームコレクターとの併用に関する質問

Q.換気だけで溶接ヒューム対策は十分ですか?
換気は重要ですが、発生源付近のヒュームを十分に抑えにくい場合があります。現場条件に応じて、ヒュームコレクターや適切な呼吸用保護具などを組み合わせます。
Q.ヒュームコレクターはどこに置けばよいですか?
吸引口をヒュームの発生源へ近づけ、作業者の呼吸域へ流れる前に捕集できる位置を検討します。周囲の気流や溶接姿勢も確認します。

まとめ|換気方法の違いを理解し、発生源対策と組み合わせる

溶接現場では、局所排気・プッシュプル型換気・全体換気で役割が異なります。

局所排気は発生源付近から吸引し、プッシュプル型換気は気流でヒュームを導き、全体換気は作業場全体の空気を入れ替えて濃度を下げます。

ただし、換気だけで十分とは限りません。発生源のヒュームを減らしたい場合は、ヒュームコレクターなどの捕集対策も合わせて検討します。

最終的には、溶接方法、作業位置、ヒュームの発生状況、周囲の気流、火花の状況などを整理し、現場に合う対策を選ぶことが重要です。

NEXT ACTION

溶接位置・気流・火花の状況を確認する

現場条件を整理すると、換気設備とヒュームコレクターの役割分担を検討しやすくなります。

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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