「ミストコレクターの選定方法」を風量・種類・設置別に完全解説
ミストコレクターの選定方法はいくつもあります。
しかし、製品によって選定方法が異なるため、「何を基準に選定すればいいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、ミストコレクターの必要処理風量・種類・設置方法における3つの選定方法を、具体的な計算式や事例を交えて詳しく解説していきます。

記事を最後まで読むことで、ミストコレクターの選定方法が完全に理解でき、自社の工作機械に最適なモデルを選択できるようになります。ぜひ参考にしてみてください。
1. 必要処理風量における「ミストコレクター」の選定方法
ホームページ構成とSEOミストコレクターは、工作機械の必要処理風量によって、適切な機種が決まります。
この章では、最も一般的な以下の2つのケースにおいての必要処理風量の算出方法を詳しく解説していきます。
- ケース1:カバーがほぼ完全な場合(密閉型工作機械)
- ケース2:カバーが付いていない場合(開放型工作機械)
1-1. ケース1:カバーがほぼ完全な場合の風量計算
カバーがほぼ完全に密閉された工作機械(マシニングセンター、NC旋盤など)の場合、以下の計算式で必要処理風量を算出します。
【計算式】
【加工エリアの内容積m³(A×B×C)】 × 【経験定数(α)】 = 必要処理風量Q(m³/min)
経験定数αの選定基準:
| 加工条件 | 経験定数(α) |
|---|---|
| しばらくしてから開ける(換気回数:2回/min) | 4 |
| 少ししてから開ける(換気回数:3回/min) | 6 |
| すぐに開ける(換気回数:4回/min) | 8 |
【具体例1】カバー完全密閉型の風量計算
例えば、以下の工作機械の場合を考えてみます。
- A(幅)= 800mm
- B(奥行き)= 1,200mm
- C(高さ)= 650mm
- 開閉パターン:すぐに開ける(換気回数:4回/min、経験定数α = 8)
ステップ1:加工エリアの内容積を計算
0.8m × 1.2m × 0.65m = 0.624m³
ステップ2:経験定数αを適用
Q = 0.624m³ × 8 = 4.992m³/min
結果:必要処理風量 = 4.992m³/min
この場合、最低でも4.992m³/min以上の処理能力を持つミストコレクターが必要です。
詳しい計算方法については、以下のページで詳細に解説していますので、ご参照ください。
関連情報:機種選定方法を詳しく見る
1-2. ケース2:カバーが付いていない場合の風量計算
汎用旋盤や研削盤などの加工部が密閉されていない工作機械の場合、以下の計算式で必要処理風量を算出します。
【計算式】
【フードの吸入断面積m²(A×B)】 × 【平均面風速(V×60 m/min)】 = 必要処理風量Q(m³/min)
面風速Vの推奨値:
| 加工内容 | 推奨面風速(V) |
|---|---|
| 低速加工(粉塵少) | 0.3~0.4 m/sec |
| 中速加工(粉塵中) | 0.5~0.7 m/sec |
| 高速加工(粉塵多) | 0.8~1.0 m/sec |
【具体例2】開放型工作機械の風量計算
例えば、以下の条件の場合を考えてみます。
- A(フード幅)= 500mm
- B(フード奥行き)= 500mm
- 加工条件:中速加工(推奨面風速V = 0.5 m/sec)
ステップ1:フードの吸入断面積を計算
0.5m × 0.5m = 0.25m²
ステップ2:面風速を適用して風量を計算
Q = 0.25m² × 0.5 m/sec × 60 = 7.5m³/min
結果:必要処理風量 = 7.5m³/min
この場合、7.5m³/min以上の処理能力を持つミストコレクターが必要です。
詳しい計算方法については、以下のページで詳細に解説していますので、ご参照ください。
関連情報:機種選定方法を詳しく見る

2. 種類における「ミストコレクター」の選定方法
ミストコレクターの種類は、大きく3つに分けられます。
上記3つの種類を正しく理解しておくことで、工作機械と加工条件に合ったミストコレクターを選定できるようになります。
それぞれの特徴をくわしく解説していきます。
2-1. フィルター式|最も一般的で導入しやすい方式
特徴:
フィルター方式は、取り扱いが簡単であり、ミストコレクター市場の中で最も一般的な方式です。
ファンによって吸い込まれたオイルミストの油分を、複数のフィルターを通してろ過します。捕集したオイルミストは、段階的にフィルターを通過し、ミストコレクター下部にあるドレンホースから油分として排出される仕組みです。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 構造がシンプルで初期費用が比較的安い | フィルター交換を怠ったり、粉塵成分が多かったりすると目詰まりしやすい |
| 現場での管理が容易で保守性に優れている | フィルターの通気抵抗が高いため、電動機の消費動力が大きくなる |
| 安全性が高く、操作が簡単 | 交換後の使用済みフィルターは産業廃棄物となり、廃棄費用が継続的に発生 |
選定のポイント:
フィルター式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- 油煙対応フィルターの有無:油煙が多い場合は、ファイナルフィルター搭載モデルを選択
- メンテナンス周期:定期的なフィルター交換が可能か確認
- 処理風量:必要処理風量を満たしているか確認
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当社のフィルター式製品は、一般的なミストコレクターでは捕集対象外である油煙を標準搭載のファイナルフィルターで捕集可能です。ミストだけでなく油煙まで捕集できるため、金属加工工場での最高クラスの環境改善が実現できます。
また、ONIKAZE独自の段階的捕集構造により、従来のフィルター式のデメリットである目詰まりのしやすさを大幅に軽減しています。
関連記事: 「フィルター式」ミストコレクターの特徴と活用事例を解説
フィルターレス式|メンテナンス工数を大幅削減
特徴:
フィルターレス方式は、従来のフィルターに代わり、回転ディスク式や遠心力を利用した捕集ユニットでオイルミストを分離・捕集します。
遠心分離方式では、オイルミストの油分を遠心力を使って分離させ、ディスク方式では、内部にあるディスクを高速回転させることによって、オイルミストを弾き飛ばします。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 使用されているフィルターが少ないため、洗浄・交換等の手間が軽減される | 微細なオイルミスト(サブミクロン粒子)は捕集が難しい |
| メンテナンスが簡単で、設備管理の負担が少ない | 超微細粒子が環境に漏出する可能性がある |
選定のポイント:
フィルターレス式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- 捕集性能:超微細粒子対応が必要か判断(アフターフィルター搭載モデルも検討)
- メンテナンス周期:どの程度のメンテナンス削減ができるか
- 省エネ性能:消費電力削減の優先度を確認
- 設置スペース:コンパクトサイズが必要か
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遠心分離により、ミスト・切粉・スラッジを内部に溜めず、長期稼働が可能でドレン配管も不要です。さらに、より高い捕集性能を求めるお客様向けに、アフターフィルター(0.3μm以上の粒子を99.93%捕集)も用意されています。また、従来のミストコレクターと比べてワンサイズ下のモーターの採用に成功したことで、インバータ無しでの省エネを実現しました。
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ロータリー式を採用した同製品は、フィルターレス方式の利点を最大限に活かし、メンテナンス周期の延長を実現しています。また、一般的なフィルターレスでは捕集不可な1μm以上の微細粒子も捕集が可能です。
関連記事: 「ミストコレクターの種類」は3つ!事例と選び方も紹介
2-3. 電気集塵式|超微細粒子まで捕集可能な高性能方式
特徴:
電気集塵式は、入ってきたオイルミスト粒子を高電圧により発生させた「コロナ放電」で帯電させ、静電力を利用して油分を吸着・収集する仕組みです。
最も高い捕集効率を持ち、1μm以下の微細なオイルミスト粒子も捕集可能です。
また、電極は洗浄リサイクルが可能で、繰り返し使用することができます。ちなみに、空調機と一体になっているミストコレクターや、大型のミストコレクターは主に電気集塵式が採用されています。
選定のポイント:
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 1μm以下の微細なオイルミスト粒子を高効率で捕集できる | 高電圧を使用するため、取り扱いと設置場所に十分な注意が必要 |
| フィルターが付いていないため、フィルター交換の手間がかからない(産業廃棄物が少ない) | 電極のメンテナンスを怠ると、安全装置により頻繁に停止してしまう |
| 電極は洗浄リサイクルが可能で、繰り返し使用できるためランニングコストが低い | 電極洗浄に手間がかかり、メンテナンス費用が高額になる可能性 |
電気集塵式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- 超微細粒子対応の必須性:本当に必要か(コスト対効果を検討)
- 保守体制:電極洗浄のメンテナンスが可能か
- 設置環境:高電圧機器の安全設置が可能か
- 予算:導入コスト + メンテナンスコストの合計を検討

関連記事:「ミストコレクターの構造」を種類別に解説|設置方法も紹介
3. 設置方法における「ミストコレクター」の選定方法
ミストコレクターの設置方法は、3つの主要な方式があります。
工場の操業方法や取り付けの作業工程、既存設備の状況によって、最適な設置方法は変わるため、慎重に選定することが重要です。
各設置方法の特徴を詳しく解説していきます。
3-1. 直結吸気方式|密閉型工作機械の標準設置方法
特徴:
直結吸気方式は、ミストコレクターの最も一般的で標準的な設置方式です。
主に、マシニングセンタや複合加工機などの加工部が密閉された工作機械で採用されています。
工作機械から出たオイルミストを直接ミストコレクターに接続し、ダクトを経由して吸引・ろ過します。
メリット:
- ミストを逃さず効率的に捕集できる(最高の捕集効率を実現)
- 工場全体の環境汚染を最小化できる
- 費用対効果が高い
- 工作機械の上部や側部に設置する際は、ダクトを介しての吸気が可能で、レイアウト柔軟性がある
選定のポイント:
直結吸気方式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- 機械との接続方式:標準コネクタか、カスタムダクトが必要か
- 吸引力配分:複数台接続の場合、均等な吸引力配分が可能か
- メンテナンス性:ダクト清掃が容易か
実装のポイント:
- ダクトホースの径と長さを機械仕様に合わせて選定する
- 吸引力低下を防ぐため、定期的なダクト清掃を実施する
- 複数台の工作機械を1つのミストコレクターに接続する場合は、吸引力配分に十分な注意を払う
3-2. 局所吸気方式|開放型工作機械の柔軟な設置方法
特徴:
局所吸気方式は、工作機械に直接接続できない場合の設置方法です。
研削盤(グラインダー)などの加工部が密閉されていない工作機械の上部に配置して使われることが多いです。
発生するオイルミストが流れる方向を念頭に置き、刃物付近に直接ホースを近付けたり、フード等でオイルミストを集めたりして吸引します。
メリット:
- 既存の工作機械への後付け導入が容易である
- 加工条件の変化に応じて吸引位置を調整可能で、柔軟な対応ができる
- 設置に必要な改造が最小限で済む
- 工事期間が短く、導入が比較的簡単
選定のポイント:
局所吸気方式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- ホース先端の配置:ミスト発生源に最大限近づけられるか
- フードの形状:機械の形状に適したフード設計が可能か
- 吸い込み速度:機械に応じた最適な面風速が確保できるか
実装のポイント:
- ホース先端がミスト発生源に最大限近いことを確認する
- 風の流れを考慮し、ホース配置を工夫する
- 小型・移動式のミストコレクターを複数配置するのも効果的
3-3. 広域吸気方式|工場全体の総合的な環境改善
特徴:
広域吸気方式は、直結吸気方式や局所吸気方式のみでは対応できない場合の設置方法です。
機械で発生させた気流によって屋内に飛散したオイルミストを効率的に回収します。
直結吸気方式と局所吸気方式は、工作機械それぞれにつき1つのミストコレクターがついている設置方法ですが、機械が大きく、広範囲に及んでいる場合には、捕集効率が悪くなってしまう可能性があります。
その場合に、広域吸気方式を補助的に導入します。
メリット:
- 工場全体の環境品質が均一に保たれる
- 複数の工作機械からのミスト発生に対応可能
- 長期的な環境改善と従業員満足度の向上を実現できる
- 将来的な増設にも対応しやすい
選定のポイント:
広域吸気方式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう:
- 工場全体のレイアウト:どの範囲をカバーする必要があるか
- 空調システムとの統合:既存システムとの調整が可能か
- 予算規模:初期投資とランニングコストの総合判断
実装のポイント:
- 工場レイアウトと工作機械の配置を考慮した設計が必須
- 空調・換気システムとの統合設計を検討する必要がある
- 初期投資は大きいが、長期的なROI(投資回収率)は高い
ハイブリッド型の採用:
実務的には、「直結吸気方式+広域吸気方式」のように、複数の方式を組み合わせて活用するのが最も効果的です。
このアプローチにより、以下が実現できます:
- 各工作機械からのミスト除去(直結吸気)
- 工場全体の微細粒子対策(広域吸気)
- 効率的でバランスの取れた環境改善
関連記事: 「ミストコレクターの設置方法」3選!メリットもあわせて解説

4. まとめ|ミストコレクター選定の3ステップ
今回は、ミストコレクターの選定方法を、必要処理風量・種類・設置方法の3つの視点から詳しく解説しました。
ミストコレクターは、これら3つの要素それぞれにおいて、選定方法が異なります。
ミストコレクター選定の3ステップ:
ステップ1:必要処理風量を計算する
まず、自社の工作機械に合わせた必要処理風量を計算します。
- カバー完全密閉型:内容積 × 経験定数で計算
- 開放型:吸入断面積 × 面風速で計算
ステップ2:処理風量から種類を選定する
次に、計算した風量を基に、3つの種類の中から選択します。
- フィルター式:初期費用重視、実績多数
- フィルターレス式:メンテナンス削減、省エネ重視
- 電気式:超微細粒子対応、高性能重視
ステップ3:工場環境に合わせて設置方法を決定する
最後に、工場環境と工作機械の配置に基づいて設置方法を選択します。
- 直結吸気方式:標準的で最高効率
- 局所吸気方式:既設機械への後付け導入
- 広域吸気方式:工場全体の環境改善
このように、段階的に選定していくことで、自社に最適なミストコレクターが選定できます。
本記事を参考に、正しい選定方法を理解して、あなたの会社の工作機械に合ったミストコレクターを選んでみてください。
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▲HVSにけむり玉吸わせてみた【赤松電機製作所】