フィルター式ミストコレクターとは?特徴・メリット・選び方を解説!

ミストコレクター
アイコン 投稿日: 2022/2/24 アイコン 更新日: 2026/5/14

フィルター式ミストコレクターとは、工作機械から発生するオイルミストをフィルターで捕集する方式のミストコレクターです。

ミストコレクターには複数の種類がありますが、その中でもフィルター式は、構造がシンプルで扱いやすく、導入しやすい方式として多くの工場で使われています。

一方で、フィルター式には目詰まりやフィルター交換などの注意点もあります。

そのため、フィルター式を選ぶ際は、加工条件・油煙の有無・メンテナンス体制・ランニングコストを確認することが重要です。

本記事では、フィルター式ミストコレクターの特徴、メリット・デメリット、オイルミストや油煙への対応、他方式との違いをわかりやすく解説します。

フィルター式ミストコレクターの特徴と活用事例の解説。白い不織布フィルターのクローズアップ写真を背景にしたアイキャッチ画像。

また、油煙対策に対応した赤松電機製作所のオニカゼ ヘビースモーカー HVSシリーズについても紹介します。

フィルター式ミストコレクターとは?

フィルター式ミストコレクターとは、オイルミストを吸引し、フィルターでろ過・捕集する方式のミストコレクターです。

ミストコレクターは、金属加工時に発生するオイルミストや油煙を吸引・除去し、工場内の空気環境を改善するために使われます。

その中でも、フィルター式は最も一般的な方式の一つです。

フィルター式の基本的な仕組み

フィルター式ミストコレクターは、以下の流れでオイルミストを捕集します。

  1. ファンでオイルミストを吸引する
  2. 吸い込んだ空気をフィルターに通す
  3. フィルターで油分や微細粒子を捕集する
  4. 清浄化された空気を排気する
  5. 捕集した油分をドレンとして排出する

つまり、フィルター式は空気中のオイルミストをフィルターで分離・捕集する方式です。

また、機種によっては複数のフィルターを段階的に通すことで、より高い捕集性能を発揮します。

フィルター式が使われる主な現場

フィルター式ミストコレクターは、切削油を使用する金属加工現場で使われます。

具体的には、以下のような設備や加工で使用されます。

  • NC旋盤
  • マシニングセンター
  • 複合加工機
  • 研削盤
  • 高速切削加工
  • 高圧給油加工
  • 油性切削油を使用する加工
  • 水溶性切削油を使用する加工

特に、初めてミストコレクターを導入する工場や、構造がわかりやすい方式を選びたい現場では、フィルター式が候補になります。

ただし、油煙が発生する現場では、通常のフィルター式では不十分な場合があります。

そのため、油煙がある場合は、油煙対応フィルターを搭載したモデルを選ぶことが重要です。

フィルター式ミストコレクターのメリット

フィルター式ミストコレクターには、複数のメリットがあります。

特に、構造のわかりやすさや導入しやすさを重視する場合に向いています。

構造がシンプルで扱いやすい

フィルター式は、ファンとフィルターを中心としたシンプルな構造です。

そのため、現場での扱い方がわかりやすく、専門知識が少ない場合でも運用しやすい方式です。

また、点検箇所も比較的わかりやすいため、現場担当者が管理しやすい点もメリットです。

初期費用を抑えやすい

フィルター式は、他方式と比べて初期費用を抑えやすい傾向があります。

そのため、初めてミストコレクターを導入する工場や、小〜中規模の加工現場でも導入しやすい方式です。

ただし、導入後にはフィルター交換や廃棄費用が発生します。

そのため、初期費用だけでなく、ランニングコストまで含めて判断することが重要です。

安全性が高く運用しやすい

フィルター式は、電気集塵式のように高電圧を使用する方式ではありません。

そのため、高電圧機器の取り扱いに不安がある現場でも導入しやすい方式です。

また、構造がシンプルなため、トラブル時の原因も確認しやすい傾向があります。

このように、フィルター式は安全性と運用のしやすさを重視する現場に向いています。

導入実績が多く比較しやすい

フィルター式は、多くの工場で採用されている一般的な方式です。

そのため、導入事例や製品ラインナップも比較しやすく、初めて検討する場合でも判断材料を集めやすい点があります。

また、メーカー側のサポートや部品供給も確認しやすいため、長期運用の面でも安心しやすい方式です。

フィルター式ミストコレクターのデメリット

一方で、フィルター式ミストコレクターには注意点もあります。

特に、目詰まりやフィルター交換、廃棄費用は導入前に確認しておく必要があります。

フィルターが目詰まりする可能性がある

フィルター式の大きな課題は、フィルターの目詰まりです。

オイルミスト中に粉塵や切粉、スラッジ成分が多い場合、フィルターに汚れが蓄積しやすくなります。

その結果、吸引力が低下し、十分な捕集効果が得られない可能性があります。

特に、粉塵成分が多い加工条件では、フィルターの目詰まりリスクを事前に確認することが重要です。

定期的なフィルター交換が必要

フィルター式は、定期的なフィルター交換や清掃が必要です。

交換を怠ると、吸引力が低下し、オイルミストが工場内に広がる可能性があります。

また、目詰まりした状態で運転を続けると、モーターに負荷がかかる場合もあります。

そのため、導入前には以下を確認しましょう。

  • フィルター交換の頻度
  • 交換作業のしやすさ
  • 交換に必要な時間
  • 交換部品の費用
  • 作業者のメンテナンス体制

このように、フィルター式では定期メンテナンスを前提にした運用が必要です。

使用済みフィルターの廃棄費用が発生する

フィルター式では、使用済みフィルターが廃棄物になります。

特に、油分を含んだフィルターは産業廃棄物として処理が必要になる場合があります。

そのため、交換部品代だけでなく、廃棄費用もランニングコストとして考える必要があります。

つまり、フィルター式を選ぶ際は、本体価格だけでなく総所有コストを確認しましょう。

通気抵抗により消費電力が増える場合がある

フィルター式は、フィルターを通して空気を流すため、通気抵抗が発生します。

フィルターが汚れてくると抵抗が大きくなり、吸引力の低下や消費電力の増加につながる場合があります。

そのため、省エネ性を重視する場合は、フィルター式以外の方式も比較検討する必要があります。

フィルター式ミストコレクターが向いている現場

フィルター式ミストコレクターは、すべての現場に最適とは限りません。

しかし、以下のような条件では有力な選択肢になります。

初期費用を抑えたい現場

フィルター式は、初期費用を抑えやすい方式です。

そのため、まずはミストコレクターを導入したい現場や、導入コストを重視する現場に向いています。

ただし、繰り返しになりますが、フィルター交換費用も考慮する必要があります。

操作や管理のしやすさを重視する現場

構造がシンプルなため、フィルター式は現場で管理しやすい方式です。

専門的な知識が少ない現場でも、点検や交換の流れを理解しやすい点があります。

そのため、管理のしやすさを重視する場合に向いています。

油煙対応モデルを選びたい現場

フィルター式の中には、油煙対応フィルターを搭載したモデルがあります。

油性切削油を使用している現場や、加工時に油煙が発生している現場では、油煙対応モデルを検討する必要があります。

特に、通常のミストだけでなく油煙まで対策したい場合は、油煙対応フィルター搭載モデルを選ぶことが重要です。

高い捕集性能を重視する現場

フィルター式は、搭載するフィルターの性能によって高い捕集性能を発揮できます。

複数段階で捕集する構造を持つ機種であれば、オイルミストや油煙を効率よく捕集しやすくなります。

そのため、高い捕集性能を重視する現場でも、フィルター式は候補になります。

ただし、フィルター式だからといって全てが高捕集とは限らないので注意が必要です。

フィルター式で対策できるオイルミストと油煙

フィルター式ミストコレクターを検討する際は、オイルミストと油煙の違いを理解しておく必要があります。

なぜなら、同じ油分を含む粒子でも、粒子の大きさや捕集しやすさが異なるためです。

オイルミストとは

オイルミストとは、工作機械で使用される切削油や潤滑油が微細な霧状になり、空気中に浮遊した油の粒子です。

主に、以下のような加工条件で発生します。

  • 高圧給油加工
  • 高速切削加工
  • 研削加工
  • 長時間稼働する加工
  • 油性切削油を使用する加工
  • 水溶性切削油を使用する加工

オイルミストを放置すると、作業者の健康被害や床面の油汚れ、設備故障につながる可能性があります。

そのため、発生源付近で吸引・除去することが重要です。

油煙とは

一方で、油煙とは、油性切削油を使用する重切削加工や高温加工などで発生する、より微細な油分を含む煙状の粒子です。

油煙はオイルミストよりも粒子が細かく、通常のミスト対策だけでは捕集が難しい場合があります。

そのため、油煙が発生する現場では、油煙対応のフィルターを搭載したミストコレクターが必要です。

オイルミスト・油煙を放置するリスク

オイルミストや油煙を放置すると、工場内にさまざまな悪影響が出る可能性があります。

主なリスクは以下の通りです。

  • 作業者の呼吸器系への影響
  • 目の充血やドライアイ
  • 肌荒れや皮膚疾患
  • 視界不良
  • 床面の油分付着
  • 転倒・滑落事故
  • 機械設備の故障
  • 電子機器のショート
  • 製品品質の低下
  • 清掃工数の増加

このように、オイルミストや油煙は単なる汚れではありません。

作業者の健康・安全性・設備保全・生産性に関わるリスク要因です。

関連記事: 「オイルミスト」の悪影響とは?人体・環境など3視点で完全解説

油煙対応フィルター搭載モデルを選ぶメリット

油煙対応フィルターを搭載したモデルを選ぶことで、オイルミストだけでなく油煙まで対策しやすくなります。

主なメリットは以下の通りです。

  • オイルミストと油煙の両方を捕集しやすい
  • 後付けフィルターが不要な場合がある
  • 微細な油分を含む粒子まで対応しやすい
  • 工場内の空気環境を改善しやすい
  • 作業者の健康リスク低減につながる
  • 設備への油分付着を抑えやすい

特に、油性切削油を使用している現場では、油煙の有無を確認したうえで機種選定を行いましょう。

関連記事: 「油煙」の原因と対策を完全解説|工場・キッチン・リビング別ガイド

フィルター式以外のミストコレクターとの比較

フィルター式以外にも、ミストコレクターには複数の方式があります。

代表的なのは、フィルターレス式電気集塵式です。

それぞれ特徴が異なるため、フィルター式と比較しながら選ぶことが重要です。

フィルターレス式とは

フィルターレス式は、遠心力や回転ディスクを利用してオイルミストを分離・捕集する方式です。

フィルターをほとんど使用しないため、フィルター交換や洗浄の手間を抑えやすい点が特徴です。

主なメリットは以下の通りです。

  • フィルター交換の手間を減らせる
  • メンテナンス工数を抑えやすい
  • 産業廃棄物を削減しやすい
  • コンパクトに設置しやすい
  • 省エネ性能に優れた機種もある

一方で、微細なオイルミストや油煙への対応は、機種によって差があります。

そのため、フィルターレス式を選ぶ場合は、捕集性能とアフターフィルターの有無を確認する必要があります。

電気集塵式とは

電気集塵式は、オイルミスト粒子に電荷を与え、静電力で捕集する方式です。

微細な粒子を捕集しやすく、高い捕集効率が期待できます。

主なメリットは以下の通りです。

  • 1μm以下の微細粒子を捕集しやすい
  • フィルター交換の手間を減らせる
  • 電極を洗浄して再利用できる
  • 産業廃棄物を減らせる場合がある
  • 高い捕集性能が期待できる

一方で、高電圧を使用するため、安全管理や設置環境に注意が必要です。

また、電極洗浄などのメンテナンスには手間や費用がかかる場合があります。

そのため、電気集塵式を選ぶ場合は、捕集性能だけでなく保守体制と安全管理も確認しましょう。

3つの種類(フィルター式・フィルターレス式・電気式)を比較した表

関連記事: 「ミストコレクターの構造」を種類別に解説|設置方法も紹介

オニカゼ ヘビースモーカー HVSの特徴

赤松電機製作所のオニカゼ ヘビースモーカー HVSシリーズは、フィルター式ミストコレクターの課題に対応した高性能モデルです。

特に、油煙や高濃度ミストが発生する現場に向いています。

独自の段階的捕集構造で目詰まりを軽減

一般的なフィルター式では、粉塵成分が多いとフィルターが目詰まりしやすい課題があります。

しかし、HVSシリーズでは、ONIKAZE独自の段階的捕集構造により、粒子を段階的に捕集します。

そのため、フィルターへの負担を分散し、目詰まりを軽減しやすい構造になっています。

主なメリットは以下の通りです。

  • 粒子を段階的に捕集できる
  • フィルターへの負担を抑えやすい
  • メンテナンス周期を延ばしやすい
  • 作業者のメンテナンス負担を軽減しやすい

このように、HVSシリーズはフィルター式の弱点である目詰まりに配慮した構造を備えています。

ヘビースモーカー(HVS)ミストコレクターの内部構造を分解した図。フィルターやファンなど各構成部品とミスト捕集の仕組みを示している。

標準仕様で油煙対策に対応

HVSシリーズは、油煙やオイルミストが発生する現場に対応したミストコレクターです。

一般的なミストコレクターでは捕集が難しい油煙にも対応しやすく、油性切削油を使用する現場で有効です。

また、標準仕様で油煙対策に対応できるため、後付けフィルターや追加工事の負担を抑えやすい点も特徴です。

特に、以下のような現場ではHVSシリーズが候補になります。

  • 油性切削油を使用している現場
  • 油煙が発生している現場
  • 高濃度ミストを対策したい現場
  • オイルミストと油煙を同時に対策したい現場
  • 高い捕集性能を重視する現場

油煙対策を重視する場合は、HVSシリーズが有効な選択肢です。

フィルター式ミストコレクターに関するよくある質問

ここでは、フィルター式ミストコレクターに関するよくある質問をまとめます。

フィルター式ミストコレクターとは何ですか?

フィルター式ミストコレクターとは、オイルミストをフィルターでろ過・捕集する方式のミストコレクターです。

構造がシンプルで扱いやすく、一般的な方式として多くの工場で使われています。

フィルター式ミストコレクターのメリットは何ですか?

主なメリットは、構造がシンプルで扱いやすいこと、初期費用を抑えやすいこと、安全性が高いことです。

また、油煙対応フィルターを搭載したモデルであれば、オイルミストだけでなく油煙対策にも対応しやすくなります。

フィルター式ミストコレクターのデメリットは何ですか?

主なデメリットは、フィルターの目詰まり、定期交換、使用済みフィルターの廃棄費用です。

そのため、導入前にはメンテナンス体制とランニングコストを確認する必要があります。

フィルター式は油煙にも対応できますか?

通常のフィルター式では、油煙の捕集が難しい場合があります。

油煙が発生する現場では、油煙対応フィルターを搭載したモデルを選ぶことが重要です。

フィルター式とフィルターレス式はどちらが良いですか?

どちらが良いかは、加工条件によって異なります。

初期費用や管理のしやすさを重視する場合は、フィルター式が候補になります。

一方で、メンテナンス工数や省エネ性を重視する場合は、フィルターレス式が候補になります。

ただし、油煙や微細ミストが発生する場合は、捕集性能を確認して選ぶ必要があります。

HVSシリーズはどのような現場に向いていますか?

HVSシリーズは、油煙や高濃度ミストが発生する現場に向いています。

特に、油性切削油を使用している現場や、油煙対策を重視する現場では有効な選択肢になります。

まとめ|フィルター式は扱いやすさと油煙対応が選定ポイント

フィルター式ミストコレクターは、オイルミストをフィルターでろ過・捕集する一般的な方式です。

構造がシンプルで扱いやすく、初期費用を抑えやすい点がメリットです。

一方で、フィルターの目詰まり、定期交換、廃棄費用などの注意点もあります。

そのため、フィルター式を選ぶ際は、以下の点を確認しましょう。

  1. 加工条件
    粉塵成分やスラッジが多いかを確認します。
  2. 油煙の有無
    油煙が発生する場合は、油煙対応モデルを選びます。
  3. メンテナンス体制
    フィルター交換や清掃を継続できるか確認します。
  4. ランニングコスト
    フィルター交換費用や廃棄費用も含めて判断します。
  5. 他方式との比較
    省エネやメンテナンス削減を重視する場合は、フィルターレス式や電気集塵式も比較します。

このように、フィルター式は導入しやすい方式ですが、現場条件に合わせて選ぶことが重要です。

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赤松電機製作所が展開する『ONIKAZEミストコレクター』は、様々な加工条件を考慮し、3種類の充実したラインナップをご用意しています。

PRODUCT LINEUP

オニカゼ ミストコレクターラインナップ

油煙・オイルミスト対策の主力3シリーズを、用途別に比較しやすく整理しました。

オニカゼ ヘビースモーカー HVS の製品ロゴ

OIL SMOKE & MIST

ヘビースモーカー(HVS)

油煙対応で高捕集。

油煙やオイルミスト対策に対応するオニカゼ ヘビースモーカー HVS の製品外観

油性切削油や油煙を伴う環境に適したシリーズです。

オニカゼ スマートミストマジック SMG-R の製品ロゴ

ENERGY SAVING

スマートミストマジック(SMG)

省エネと負担軽減。

省エネ性とメンテナンス性を重視したオニカゼ スマートミストマジック SMG-R の製品外観

消費電力とCO2削減など環境問題に対応したシリーズです。

オニカゼ スマートミストゼロ SMX の製品ロゴ

FINE PARTICLE CONTROL

スマートミストゼロ(SMX)

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超微細粒子の捕集に対応するオニカゼ スマートミストゼロ SMX の製品外観

高捕集とメンテ負荷軽減を実現したシリーズです。

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▲HVSでドライアイス吸ってみた!【赤松電機製作所】

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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