溶接ヒュームから労働者を守る!作業主任者におすすめのヒュームコレクターを紹介!
金属アーク溶接等作業では、溶接ヒュームによる健康障害を防ぐため、作業方法や換気、保護具などを適切に管理する必要があります。
その中で重要な役割を担うのが、作業主任者です。作業主任者は、作業方法を決めて労働者を指揮し、健康障害を防止するための装置を点検し、保護具の使用状況を監視します。
ただし、現在は「特定化学物質作業主任者」だけでなく、金属アーク溶接等作業に限定した講習を修了した者から金属アーク溶接等作業主任者を選任することもできます。
本記事では、誰を選任できるのか・どのような職務があるのか・どの講習を受けるのか・現場で何を確認するのかを整理します。
INFORMATION DATE
法令・制度に関する記載は2026年9月18日時点で確認した厚生労働省・労働局の公開情報に基づいています。法令や講習制度は改正される可能性があるため、実務では必ず最新の公的情報をご確認ください。

KEY POINTS
作業主任者の役割は「指揮・点検・監視」
指揮
ばく露を防ぐ作業方法を決め、労働者を指揮する。
点検
健康障害を防止する装置を定期的に確認する。
監視
保護具が適切に使用されているか確認する。
まず確認|溶接作業で作業主任者の選任が必要になる場合
金属アーク溶接等作業に労働者を従事させる場合は、法令に基づき作業主任者の選任が必要です。
対象となるのは、金属をアーク溶接する作業だけではありません。アークを用いた溶断やガウジングなど、溶接ヒュームを製造し、または取り扱う作業も「金属アーク溶接等作業」に含まれます。
また、厚生労働省のQ&Aでは、作業頻度や時間の長短による選任の例外は設けられていません。一時的・短時間の作業であっても、対象作業に労働者を従事させる場合は確認が必要です。
なお、溶接ヒュームは2021年4月1日に特定化学物質(第2類物質)へ追加され、作業主任者の選任は2022年4月1日から必要となりました。

OFFICIAL INFORMATION
厚生労働省|特定化学物質障害予防規則を確認する →2024年から「金属アーク溶接等作業主任者」も選任可能に
現在は、金属アーク溶接等作業について2つのルートから作業主任者を選任できます。
従来の特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者から特定化学物質作業主任者を選任する方法に加え、2024年1月1日からは金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習を修了した者から金属アーク溶接等作業主任者を選任できるようになりました。
ROUTE 01
特定化学物質作業主任者
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者から選任。
溶接ヒューム以外の特定化学物質を含めて扱う場合にも対応できます。
ROUTE 02
金属アーク溶接等作業主任者
金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習を修了した者から選任。
金属アーク溶接等作業に限定した講習です。
つまり、金属アーク溶接等作業だけを担当する作業主任者であれば、限定技能講習を活用できます。一方、溶接ヒューム以外の特定化学物質を扱う作業まで管理する場合は、限定講習だけでは対応できません。
作業主任者の職務は3つ
作業主任者の中心的な職務は、作業者が溶接ヒュームを吸入しないよう現場を管理することです。
現在の特化則では、金属アーク溶接等作業主任者について、次の3つの職務が定められています。
作業方法を決定し、労働者を指揮する
作業者が溶接ヒュームに汚染されたり、吸入したりしないよう作業方法を定めます。
健康障害防止装置を点検する
全体換気装置その他の健康障害防止装置を、1か月を超えない期間ごとに点検します。
保護具の使用状況を監視する
呼吸用保護具などが適切に使用されているか確認します。

このように、作業主任者は「資格を持っている人を配置すれば終わり」ではありません。日常の作業方法、設備、保護具の運用まで継続して確認する役割があります。
どの講習を受ける?2つの技能講習の違い
作業主任者として選任されるためには、対象となる技能講習を修了する必要があります。
ただし、現在は講習が2種類あります。現場で取り扱う化学物質や担当範囲に合わせて選びます。
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習
講習科目の時間:合計12時間
溶接ヒューム以外を含む特定化学物質・四アルキル鉛について学びます。
金属アーク溶接等作業主任者限定技能講習
講習科目の時間:合計6時間
講習内容を金属アーク溶接等作業に関する内容へ限定しています。
例えば、金属アーク溶接等作業だけを対象に作業主任者を選任する場合は、限定技能講習が選択肢になります。
なお、実際の開催日程、修了試験、受講方法などは登録教習機関によって異なるため、受講前に確認してください。
作業主任者が押さえておきたい溶接ヒューム対策
作業主任者の役割を果たすには、作業主任者制度だけでなく、現場で必要となる溶接ヒューム対策も把握しておく必要があります。
主な対策は、換気、濃度測定、呼吸用保護具、健康診断、発生源での捕集などです。
そのため、このページでは各制度を重複して詳しく説明するのではなく、作業主任者が管理する視点に絞って整理します。
ヒュームコレクターを管理するうえで確認したいこと
ヒュームコレクターは、溶接ヒュームを発生源付近から吸引・捕集するための装置です。
作業主任者の立場では、「導入したか」だけでなく、現場で継続して適切に使えるかを見ることが重要です。

吸引位置と作業方法が合っているか
まず、吸引口が発生源から離れすぎていないか、作業者の動きを妨げていないかを確認します。ヒュームコレクターがあっても、適切な位置で使われなければ十分に捕集しにくくなります。
日常点検・メンテナンスを続けられるか
また、フィルターやダストの状態、吸引力の変化、異常音などを確認しやすいことも重要です。点検やメンテナンスが複雑すぎると、運用が続きにくくなります。
火花・スパッタを含めて選定しているか
さらに、溶接条件によっては火花やスパッタを吸い込む可能性があります。そのため、ヒューム量だけでなく火花の状況や防火対策も含めて装置を選定します。
つまり、作業主任者にとっては、性能だけでなく使いやすさ・点検しやすさ・現場条件との適合まで確認することが大切です。
ONIKAZEのヒュームコレクター
赤松電機製作所では、溶接ヒューム対策向けにFSMシリーズとFM-220を展開しています。
よくある質問|溶接ヒュームと作業主任者
作業主任者の選任や職務について、よく確認されるポイントをまとめます。
選任・資格に関する質問
Q.短時間のアーク溶接でも作業主任者は必要ですか?
Q.従来の特化物技能講習を修了した人でも選任できますか?
Q.限定技能講習は何が違いますか?
職務・現場管理に関する質問
Q.作業主任者の主な職務は何ですか?
Q.ヒュームコレクターを導入すれば作業主任者は不要ですか?
Q.ヒュームコレクターで確認したい点は何ですか?
まとめ|選任して終わりではなく、現場で「指揮・点検・監視」を続ける
金属アーク溶接等作業では、溶接ヒュームによる健康障害を防ぐため、作業主任者の選任が必要です。
まず、従来の特定化学物質作業主任者に加え、2024年からは限定技能講習を修了した者から金属アーク溶接等作業主任者を選任できるようになりました。
また、作業主任者には、作業方法を決めて労働者を指揮すること、健康障害防止装置を点検すること、保護具の使用状況を監視することが求められます。
さらに、ヒュームコレクターなどの設備についても、実際に現場で適切に使われ、点検・メンテナンスを継続できるか確認することが重要です。
つまり、資格者を選任するだけではなく、現場で「指揮・点検・監視」を継続することが作業主任者の役割です。