ミストコレクターの省エネ化|工場のCO2削減と省エネ化を解説!

ミストコレクター
アイコン 投稿日: 2024/6/18 アイコン 更新日: 2026/9/17

ミストコレクターの省エネ化は、工場の電気代削減やCO2排出量削減につながる改善策の一つです。

ただし、単純に風量を下げればよいわけではありません。オイルミストを十分に捕集できなければ、工場内の空気環境や安全性に影響する可能性があります。

重要なのは、必要な捕集性能を確保しながら、過剰な風量や不要な運転時間を減らすことです。

本記事では、製造業で省エネが求められる背景から、既設のオニカゼ ミストコレクターに後付けできるインバータユニット、3つの運転方法、省エネ試算で確認したい条件まで整理します。

ミストコレクターの省エネとCO2排出量削減を解説するイメージ

ENERGY SAVING GUIDE

省エネで確認したい3つの視点

01 / AIRFLOW

必要な風量

捕集性能を保てる範囲で過剰な風量を見直します。

02 / TIME

運転時間

加工していない時間まで運転していないか確認します。

03 / CONTROL

運転制御

インバータや設備連動で運転状態を調整します。

ミストコレクターの省エネでまず見る2つのポイント

ミストコレクターの消費電力を見直すときは、まず風量と運転時間を確認します。

必要以上に大きな風量で運転していたり、工作機械が停止している時間も同じ状態で回り続けていたりすると、電力を余分に使っている可能性があります。

必要以上の風量になっていないか

風量を大きくすればよいとは限りません。過剰な風量は電力消費につながる一方、風量を下げすぎるとオイルミストを十分に捕集できない場合があります。

そのため、省エネでは必要な捕集性能を確保できる風量を見極めることが重要です。

加工していない時間も運転していないか

ミストコレクターは、工作機械の稼働中に長時間運転することが多い設備です。

一方で、加工停止中まで最大出力で運転する必要がないケースもあります。停止時間や待機時間が多い設備では、運転方法を見直す余地があります。

SELECTION GUIDE

必要風量そのものを見直したい方へ

ミストコレクターの選定方法を見る →

製造業で省エネが重要になる背景

製造業では、工作機械・空調設備・集塵機・ミストコレクター・コンプレッサーなど、多くの設備が電力を使用します。

1台あたりの消費電力が小さく見えても、複数台を長時間稼働している場合は、年間の電気使用量や電気代に影響します。

製造業の省エネとCO2排出量削減を考える工場イメージ

CO2排出量削減と設備の省エネ

日本では、2050年ネット・ゼロに向け、2030年度に2013年度比46%削減、2035年度60%削減、2040年度73%削減という温室効果ガス削減目標が示されています。

こうした背景から、製造業でも設備単位の消費電力を把握し、無駄な運転を減らす取り組みが重要になります。

参考:環境省「日本の新たな温室効果ガス削減目標(NDC)とGX推進政策について」

既存設備を活かす改善も選択肢になる

省エネ対策は、新しい設備への入れ替えだけではありません。

既設設備の運転条件を見直したり、後付けの制御機器を活用したりすることで、既存設備を使いながら省エネ化できる場合があります。

工場環境を守りながら消費電力を抑える

省エネを進めるときは、消費電力だけでなく、ミストコレクター本来の役割であるオイルミストの捕集も維持する必要があります。

オイルミストによる工場内の作業環境への影響をイメージする画像

切削加工では、切削油や潤滑油が微細化し、オイルミストとして空気中に浮遊することがあります。これを放置すると、床面や設備への油分付着、視界悪化、清掃工数の増加などにつながる可能性があります。

したがって、風量を下げる場合も、必要な捕集性能を確保できているかを確認しながら調整することが重要です。

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オイルミストを放置した場合の影響を確認する

オイルミストの悪影響を見る →

既設機を活かす「インバータユニット」

オニカゼ ミストコレクター用インバータユニットは、既設のオニカゼ ミストコレクターに後付けできる省エネ用カスタマイズオプションです。

SMXとオニカゼ ミストコレクター用インバータユニット

ファンの回転数を制御し、運転条件に合わせて風量を調整することで、必要以上の電力消費を抑えます。

また、既設機を活かせるため、新しいミストコレクターへの入れ替え以外の省エネ手段として検討できます。

3つの特徴|省エネ・風量調整・後付け

インバータユニットの特徴は、消費電力の削減だけでなく、現場条件に合わせて運転方法を調整できる点にあります。

消費電力・CO2排出量・電気代の削減につなげる

ファンの回転数を必要以上に上げないことで、無駄な電力消費を抑えやすくなります。

元記事の試算では、運転条件によってはCO2排出量や電気代を最大約1/5まで削減できる可能性が示されています。ただし、削減効果は機種・運転時間・稼働パターン・電気料金単価などで変わるため、導入前の個別試算が必要です。

必要な捕集性能を見ながら風量を調整する

インバータ制御を使うと、現場条件に合わせてファン回転数を調整できます。

ただし、省エネだけを優先して風量を下げすぎると、捕集性能が不足する可能性があります。必要な吸引状態を確認しながら設定します。

既設のオニカゼ ミストコレクターを活用する

後付けできるため、既設機を使いながら省エネ化を検討できます。

対応可否は機種や仕様によって確認が必要ですが、新規設備への入れ替え以外の選択肢を持てる点は実務上のメリットです。

運転方法は3種類|アイドリング・ON/OFF・定速

インバータユニットでは、使用条件に合わせてアイドリング運転・ON/OFF運転・定速運転を選べます。

01 / IDLING

アイドリング運転

加工中は必要風量で運転し、停止中は回転数を下げて待機します。

02 / ON-OFF

ON/OFF運転

加工していない時間は停止し、不要な運転を減らします。

03 / CONSTANT

定速運転

設備連動を使わず、設定した一定回転数で運転します。

停止時間を活用するアイドリング運転

アイドリング運転は、工作機械や周辺機器からの運転信号に応じて運転状態を切り替えます。加工中は必要な風量で運転し、停止中は回転数を下げて待機します。

  • 加工と停止を繰り返す設備
  • 停止時間が一定程度ある設備
  • 完全停止ではなく待機運転を残したい現場
  • 設備連動が可能な現場
インバータユニットのアイドリング運転例

不要な運転を止めるON/OFF運転

ON/OFF運転は、工作機械や周辺機器の運転信号に応じてミストコレクターを起動・停止する設定です。

  • 加工時間と停止時間が明確な設備
  • 停止中のミスト発生が少ない設備
  • 不要な運転をできるだけ減らしたい現場
  • 設備連動が可能な現場

なお、頻繁な起動停止が設備運用に合うかは、実際の使用条件を確認して判断します。

インバータユニットのON/OFF運転例

設備連動なしで使う定速運転

定速運転は、設備連動を行わず、設定した一定の回転数でミストコレクターを運転します。

  • 設備連動ができない現場
  • 運転条件が比較的一定している設備
  • シンプルな運用をしたい現場
  • 一定風量で安定運転したい現場

設備連動が不要なため導入しやすい一方、加工状態に応じた細かな制御はできません。

インバータユニットの定速運転例
アイドリング
停止中は回転数を下げて待機。加工と停止を繰り返す設備で検討しやすい。
ON/OFF
加工していない時間は停止。停止時間が明確な設備で検討しやすい。
定速
一定回転数で運転。設備連動が難しい現場でも使いやすい。

省エネ試算で確認する条件

インバータユニットの効果は、現場の条件によって変わります。そのため、導入前には実際の稼働条件をもとに試算することが重要です。

01 / MODEL

対象機種

現在使用しているミストコレクターの機種・仕様。

02 / MOTOR

モーター条件

容量、周波数、モーター効率、インバータ効率。

03 / HOURS

運転時間

1日あたり・年間の稼働時間と停止時間。

04 / COST

電気料金

契約している電気料金単価。

05 / CYCLE

稼働パターン

加工時間と停止時間の割合、設備連動の可否。

元記事の試算条件では、スマートミストゼロ(SMX)、0.75kW 2Pole、60Hz、モーター効率85.5%、インバータ効率95%、1日16時間・年間260日、加工2分・停止3分の1サイクル、電気料金単価34.73円/kWhという条件が使われています。

ただし、実際の削減額やCO2削減量は運用条件によって変わります。自社の機種と稼働パターンで確認することが必要です。

導入効果が出やすい工場の特徴

インバータユニットは、すべての現場で同じ省エネ効果が出るわけではありません。

特に、次のような条件がある場合は、運転方法を見直す余地があります。

  • 既設のオニカゼ ミストコレクターを使用している
  • ミストコレクターの運転時間が長い
  • 工作機械に一定の停止時間がある
  • 停止中もミストコレクターが同じ状態で回っている
  • 複数台のミストコレクターを使用している
  • 電気代やCO2排出量を削減したい
  • 新規設備への入れ替えを避けながら改善したい

一方で、停止時間がほとんどない設備や、現時点ですでに必要最小限の風量で運転している設備では、効果が小さい可能性があります。

CHECK YOUR CURRENT UNIT

既設機の運転状況から確認する

機種・運転時間・停止時間・設備連動の可否を整理すると、インバータ化による改善余地を確認しやすくなります。

よくある質問|ミストコレクターの省エネ

ここでは、ミストコレクターの省エネ化やインバータユニットについて、よくある質問をまとめます。

省エネ効果に関する質問

Q.ミストコレクターの省エネ化はCO2削減につながりますか?
消費電力を抑えることで、使用する電力量の削減につながります。CO2排出量への影響は、使用電力や算定条件によって変わります。
Q.風量を下げれば省エネになりますか?
風量を抑えることで電力を削減できる場合があります。ただし、下げすぎるとオイルミストの捕集性能が不足する可能性があるため、必要な吸引状態を確認しながら設定します。
Q.どのくらい省エネできますか?
削減効果は機種、運転時間、加工と停止の割合、電気料金単価、インバータ設定などで変わります。そのため、導入前には実際の使用条件をもとに試算します。

後付け・運用に関する質問

Q.既設のミストコレクターに後付けできますか?
オニカゼ ミストコレクター用インバータユニットは、既設のオニカゼ ミストコレクターへ後付けできる省エネ用オプションです。対応可否は機種や仕様によって確認が必要です。
Q.設備連動とは何ですか?
工作機械や周辺機器から運転信号を受け、その信号に合わせてミストコレクターの運転状態を切り替える仕組みです。アイドリング運転やON/OFF運転では設備連動が必要です。
Q.設備連動できない場合でも使えますか?
設備連動ができない場合でも、定速運転で使用できます。ただし、加工状態に応じた細かな制御はできないため、運用条件に合わせて設定を検討します。

まとめ|捕集性能を保ちながら無駄な電力を減らす

ミストコレクターの省エネでは、必要な捕集性能を維持しながら、過剰な風量と不要な運転時間を減らすことが基本です。

  1. 必要風量を確認する
    捕集性能を確保できる範囲で、過剰な風量になっていないか確認します。
  2. 停止時間を確認する
    工作機械が停止している時間まで同じ状態で運転していないか確認します。
  3. 運転制御を検討する
    アイドリング・ON/OFF・定速など、設備条件に合う方法を選びます。
  4. 自社条件で試算する
    機種・運転時間・稼働パターン・電気料金単価から効果を確認します。

既設のオニカゼ ミストコレクターを使用している場合は、インバータユニットによる改善余地も含めて確認すると、省エネ化の選択肢を整理しやすくなります。

NEXT ACTION

既設機の省エネ余地を確認する

現在の機種や稼働条件を整理したうえで、資料確認や相談へ進めます。

▲簡単取付で省エネ!インバーターユニットのご紹介【赤松電機製作所】

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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