「ミストコレクターの設置方法」3選を完全解説|メリットも紹介

ミストコレクター
アイコン 投稿日: 2022/3/3 アイコン 更新日: 2026/4/15

工作機械を稼働させていると、粉塵やオイルミストなどの発生が問題になります。

大抵の場合、工場の屋外に排気されることで、工場で働く従業員の健康被害や集中力の低下、事故の発生を防ぎます。

しかし、油分で粒子状であるオイルミストは、一般的な排気だけでは対処が難しいのです。

例えば、換気扇を日常的に通過するオイルミストは、知らず知らずのうちに換気扇周りや通気口に蓄積していきます。

その結果、換気扇の動きが悪くなることで、より多くの電力を浪費することになり、最後には換気扇の交換を余儀なくされるリスクがあります。

本記事では、「ミストコレクターの3つの設置方法」の特徴と、各方式のメリット・デメリットを詳しく解説していきます。

ミストコレクターの設置方法3選の解説。工場内の高い位置に設置された製品「ONIKAZE SMG-20R」の写真を背景にした、メリットと設置パターンを紹介するアイキャッチ画像。

工場で制御機器や空調機器の故障に困っているという方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. ミストコレクターの3つの種類を理解する

ミストコレクターの基本機能
ミストコレクターとは、現場作業者の健康被害や電子機器・空調設備などの故障を引き起こす恐れのある「オイルミスト」を吸引・除去する機器です。

設置方法を選ぶ前に、まずはミストコレクターの3つの種類を理解することが重要です。

ミストコレクターの3つの種類

ミストコレクターには、以下の3つのタイプがあります。

ミストコレクターの3種類:

  1. フィルター式 – フィルター交換必要、取り扱い簡単、比較的安価
  2. フィルターレス式 – メンテナンス手間削減、1μm以下の粒子は除去困難
  3. 電気集塵式 – 高性能で廃棄物なし、価格が高め

1-1. フィルター式ミストコレクター

特徴:

フィルター式は、フィルター交換の作業は必要ですが、取り扱いが簡単で、比較的安価に購入できるタイプです。

メリット:

  • 初期費用が低い
  • 操作が簡単で管理しやすい
  • 導入実績が多く、技術サポートが充実

デメリット:

  • フィルター交換による継続的なメンテナンス費用が発生
  • 粉塵成分が多いと目詰まりしやすい

1-2. フィルターレス式ミストコレクター

特徴:

フィルターレス式は、1μm(マイクロメートル)以下の粒子は除去できませんが、メンテナンスの手間が軽減するタイプです。

メリット:

  • メンテナンス手間が大幅に削減される
  • 消費電力を約50%削減可能(省エネ)
  • 長期稼働が可能

デメリット:

  • 1μm以下の微細粒子は捕集困難
  • 油煙対応には別途対応が必要

1-3. 電気集塵式ミストコレクター

特徴:

電気集塵式は、高性能で廃棄物が出ない反面、価格が高めです。

メリット:

  • 最高の捕集性能(1μm以下の粒子も捕集可能)
  • 廃棄物がほぼ発生しない
  • ランニングコストが低い

デメリット:

  • 導入費用が高い
  • 保守に専門知識が必要
  • 電極洗浄などのメンテナンス費用が高い

種類選定のポイント
切削油を使用して工作機械を稼働していると、どうしてもオイルミストが発生してしまいます

長期的なスパンで費用対効果を考慮すれば、ミストコレクターを設置して、オイルミストによって生じる実害を予防するのが堅実でしょう。

関連記事: ”ミストコレクターの種類”は3つ!事例と選び方も紹介!

2. 「ミストコレクターの設置方法」は3種類

ミストコレクターには、主に3種類の設置方法が存在します。

ミストコレクターの3つの設置方法:

  1. 直結吸気方式 – 密閉型機械に最適
  2. 局所吸気方式 – 開放型機械に柔軟対応
  3. 広域吸気方式 – 工場全体の環境改善

工場の操業方法や取り付けの作業工程の多さを考えながら、自社に合った適切なミストコレクターの設置方法を検討する必要があります。

以下で説明する3種類のミストコレクターの設置方法を参考にして、自社の操業方法に合った設置方法を見つけてみてください。

2-1. 直結吸気方式|密閉型機械の標準設置方法

基本的な仕組み:

直結吸気方式は、工作機械に小型のミストコレクターを直接接続する方法です。

設置の特徴:

  • 工作機械から出たオイルミストを直接吸引・除去
  • 捕集効率が高い

推奨される機械:

直結吸気方式の使用がおすすめなのは、加工する箇所が密閉されている機械です。

具体的には:

  • 複合加工機
  • マシニングセンター
  • NC旋盤

メリット:

  • 最高の捕集効率を実現
  • ミストの漏出が最小限
  • 設置が比較的簡単

デメリット:

  • ダクト配管工事が必要な場合がある
  • 複数台接続時の吸引力配分に注意が必要

選定時の確認事項:

  • 機械との接続方式(標準か、カスタム対応か)
  • ダクトホースの径と長さ
  • 複数台接続の場合の吸引力配分

2-2. 局所吸気方式|開放型機械の柔軟な設置方法

基本的な仕組み:

局所吸気方式は、直接ミストコレクターを設置できない工作機械(フルカバーでない機械)を対象とした、ミストコレクターの設置方法です。

設置の特徴:

  • 発生するオイルミストが流れる方向を念頭に置く
  • 刃物付近に直接ホースを近づけたり、フードなどでオイルミストを集中させたりして吸引

推奨される機械:

局所吸気方式は、研削盤(グラインダー)などの工作機械の上部に配置して使われることが多い設置方法です。

メリット:

  • 既設機械への後付け導入が容易
  • レイアウト変更に柔軟に対応可能
  • 吸引位置を調整できる

デメリット:

  • 直結方式に比べて捕集効率が低い
  • フードの設計や吸い込み速度の調整が必須
  • ミストの一部が逃げる可能性がある

選定時の確認事項:

  • ホース先端とミスト発生源の距離
  • フードの形状設計
  • 面風速の確保
  • 風の流れを考慮した配置

2-3. 広域吸気方式|工場全体の環境改善

基本的な仕組み:

広域吸気方式は、直結吸気方式や局所吸気方式でも排気効率が上がらない場合に使われる設置方法です。

現状の課題:

上記の2種類の設置方法は、工作機械それぞれにつき1つのミストコレクターがついている場面が想定される設置方法です。

そのため、機械が大きく、広範囲に及んでいる場合には、浄化効率が悪くなってしまうのです。

具体的な対策:

その場合は、工場全体の排気口にミストコレクターを取りつけて、広範囲でオイルミストを浄化する必要があります。

メリット:

  • 工場全体の環境品質が均一に保たれる
  • 複数の工作機械からのミスト発生に対応可能
  • 長期的な環境改善が実現できる

デメリット:

  • 初期投資が大きい
  • 空調・換気システムとの統合設計が複雑
  • 運用に専門知識が必要

ハイブリッド型の推奨:

実務的には、「直結吸気方式+広域吸気方式」のように、複数の方式を組み合わせて活用するのが最も効果的です。

組み合わせのメリット:

  • 各工作機械からのミスト除去(直結吸気で効率化)
  • 工場全体の微細粒子対策(広域吸気で補完)
  • より排気効率が良くなる
3つの設置方法を工作機械と一緒に示す図解
【図解】3つの設置方法と選択フロー

3. 「ミストコレクターの設置方法」を正しくする3つのメリット

ミストコレクターを正しい設置方法で取りつけることで、3つの重要なメリットが生まれます。

3つの主要メリット:

  1. 工場で働いている従業員の健康被害を軽減
  2. 環境に優しい操業が可能
  3. 工場排気に掛かるコストを削減

ミストコレクターを正しく設置すると、オイルミストの排気効率が上がり、従業員にも、環境にも優しい操業が可能です。

また、結果として、工場の排気コストの削減にも寄与します。

メリット1:工場で働いている従業員の健康被害を軽減

効果:

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けることで、オイルミストを吸引・除去し、清浄化された空気を排気してくれます。

オイルミスト未対策環境での健康被害:

オイルミストが適切に処理されていない環境にいると、従業員に以下のような健康被害がみられます。

  • 皮膚の炎症や腫れ
  • 目の疾患(充血、ドライアイ)
  • 呼吸器系の疾患(気管支炎、喘息悪化)
  • アレルギー症状の悪化

二次的な影響:

その結果、従業員が健康に働ける年数が少なくなり、会社は人材喪失に伴う不利益を被ります。

また、オイルミストが床に蓄積すると、転倒して怪我をするリスクも上がるのです。

対策による改善:

しかし、オイルミストを適切な設置方法で配置すれば、従業員の健康被害や怪我のリスクは低く抑えられます。

これにより、従業員の満足度向上と定着率改善が期待できます。

メリット2:環境に優しい操業が可能

地球環境への貢献:

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けると、大気汚染等を防ぎ、工場周辺の環境に優しい操業が可能になります。

環境汚染のメカニズム:

オイルミストが空調機器などの内部に侵入することで、エネルギーを余分に消費してしまうため、CO2増加などの地球環境にも大きな影響を与えてしまいます。

対策による改善:

ミストコレクターを正しく設置できれば、周辺環境のみならず、環境にも優しい操業が可能になり、ひいてはカーボンニュートラルに貢献することができます。

これは企業の社会的責任(CSR)実現にも直結します。

メリット3:工場排気に掛かるコストを削減

隠れたコスト:

ミストコレクターを正しい設置方法で取り付けることで、工場排気に掛かるコストや将来における維持管理コストが抑えられます。

オイルミストは粒子状で、目には見えないものです。

問題の見えにくさ:

そのため、オイルミストの蓄積による問題は、それが顕在化するまでわかりづらいという点があります。

「今の所は大丈夫だから」という理由で処理を怠っていると、以下のような悪循環が生じます:

オイルミストを放置
換気扇にオイルが蓄積
排気機能が低下
作業効率が低下
モーターに過剰負荷
RESULT
最終的に機械故障・部品交換が発生

対策による削減効果:

排気に掛かるコストや将来における維持管理コストを上げないためにも、ミストコレクターの正しい設置方法での取り付けを行うようにしましょう。

期待できるコスト削減:

  • 換気扇交換費用の削減
  • 機械故障による修理費削減
  • 電力消費量の低減
  • メンテナンス作業時間の削減
オイルミストの悪影響と対策を示す比較図

4. まとめ|正しい設置方法で実現する最適な工場環境

今回は、「ミストコレクターの3つの設置方法」と各方式のメリット・デメリット、導入による3つのメリットについて詳しく解説しました。

ミストコレクター設置方法の重要性

オイルミストは、人体や環境に悪影響を及ぼす有害物質の1種です。

オイルミストの厄介な点は、目に見えない上に、悪影響が大きいことです。

オイルミストを放置していると、従業員の皮膚や呼吸器等などに健康被害を与えます。

加えて、オイルミストの堆積は転倒・滑落の原因や電子機器・空調機器の故障の原因になるのです。

ミストコレクター設置方法の3つ

改めて整理すると、ミストコレクターの設置方法は以下の3つでした:

1. 直結吸気方式

  • 密閉型の機械に最適
  • 最高の捕集効率を実現
  • 複合加工機、マシニングセンター、NC旋盤に推奨

2. 局所吸気方式

  • カバーのない機械から出るオイルミストを吸引
  • 研削盤(グラインダー)などに推奨
  • レイアウト変更に柔軟対応

3. 広域吸気方式

  • より広範囲に渡ってオイルミストを吸引
  • 工場全体の環境改善に最適
  • 複数の方式と組み合わせる(ハイブリッド型)

正しい設置方法の選定が重要

このように、工場での操業方法に合わせて、会社にとって適切なミストコレクターの設置方法を選ぶことが重要だと言えます。

そうすることで、以下が実現できます:

  • 従業員の健康被害が減り、定着率が向上
  • 環境に配慮した持続可能な操業が実現
  • 排気に必要な余分なコストも削減できる可能性が高い

会社の操業方法に合わせた、適切なミストコレクターの設置方法を選んで、工業を稼働していく上でのリスクを出来るだけ抑えていきましょう

赤松電機製作所のミストコレクター製品

赤松電機製作所が展開する『ONIKAZEミストコレクター』は、様々な加工条件と設置方法を考慮し、3種類の充実したラインナップをご用意しています。

当社のミストコレクター製品:

PRODUCT LINEUP

オニカゼ ミストコレクターラインナップ

油煙・オイルミスト対策の主力3シリーズを、用途別に比較しやすく整理しました。

OIL SMOKE & MIST

ヘビースモーカー(HVS)

油煙対応で高捕集。

油煙やオイルミスト対策に対応するオニカゼ ヘビースモーカー HVS の製品外観

油性切削油や油煙を伴う環境に適したシリーズです。

ENERGY SAVING

スマートミストマジック(SMG)

省エネと負担軽減。

省エネ性とメンテナンス性を重視したオニカゼ スマートミストマジック SMG-R の製品外観

消費電力とCO2削減など環境問題に対応したシリーズです。

FINE PARTICLE CONTROL

スマートミストゼロ(SMX)

限りなくメンテナンスレス。

超微細粒子の捕集に対応するオニカゼ スマートミストゼロ SMX の製品外観

高捕集とメンテ負荷軽減を実現したシリーズです。

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気になられた方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。お客様の工場環境を詳しくお伺いした上で、最適なミストコレクターのご提案をさせていただきます。

▲HVSに蚊取り線香吸わせてみた!【赤松電機製作所】

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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