溶接作業の健康診断とは?溶接ヒューム対策とヒュームコレクターを紹介!

ヒュームコレクター
アイコン 投稿日: 2023/10/10 アイコン 更新日: 2026/5/20

金属アーク溶接等で発生する溶接ヒュームは、人体に悪影響をもたらすリスクが高いと判断されました。

そのため、令和3年4月より特定化学物質障害予防規則、いわゆる特化則が適応されました。

これにより、企業にはさまざまな対応が必要になりました。

特に重要なのが、溶接作業者の健康管理です。

溶接作業では、溶接ヒュームへのばく露によって、健康障害が起こる可能性があります。

そのため、対象となる作業者には、特殊健康診断などの対応が求められます。

ただし、健康診断だけで溶接ヒューム対策が完了するわけではありません。

作業環境を改善するには、ばく露を減らす対策も必要です。

そこで本記事では、溶接作業の健康リスク、特殊健康診断の内容、そして溶接ヒューム対策に有効なヒュームコレクターについて紹介します。

溶接作業の健康診断と溶接ヒューム対策の解説。診察デスクに置かれた聴診器の写真を背景に、特殊健康診断の義務とヒュームコレクターを紹介するアイキャッチ画像。
溶接作業に従事する方の健康管理とヒューム対策について解説します。

溶接ヒュームが追加された特定化学物質とは?

特定化学物質の1つであるホルムアルデヒド

まず、溶接ヒュームが追加された特定化学物質について整理します。

特定化学物質とは、化学物質のうち、特に人間の健康や環境に対するリスクが高いとされる物質です。

管理や規制が必要な物質を指します。

特定化学物質の3つの分類

厚生労働省の資料によると、特定化学物質は大きく3つに分類されています。

分類 物質例 内容
第1類物質 ジクロルベンジジン、ジアニジンなど がん等の慢性・遅発性障害を引き起こし、特に有害性が高い物質
第2類物質 ホルムアルデヒド、水銀など がん等の慢性・遅発性障害を引き起こす物質
第3類物質 アンモニア、一酸化炭素など 大量漏洩により急性中毒を引き起こす物質

このように、特定化学物質は、人間の健康に重大な危険をもたらす可能性があります。

その中で、溶接ヒュームは第2類物質に位置づけられています。

つまり、深刻な健康リスクをもたらす可能性がある物質として扱われているということです。

[H2] 溶接作業による健康障害例

溶接作業による健康障害の主な原因として、溶接ヒュームのばく露が挙げられます。

金属アーク溶接などで発生する溶接ヒュームに長期間ばく露されると、健康障害を引き起こす可能性があります。

代表的なものは、じん肺や神経障害などです。

また、これらのヒュームには発がん性があることも確認されています。

そのため、肺がんなどのリスクもあります。

さらに、効果的な治療法がなく、完治しない病気も存在します。

溶接ヒュームによる主な健康リスク

ここでは、溶接作業で注意したい健康リスクを整理します。

じん肺

じん肺は、粉じんを長期間吸い込むことで起こる病気です。

溶接ヒュームに含まれる粉じんが肺に蓄積することで、健康障害につながる可能性があります。

また、じん肺には効果的な治療法がないとされています。

そのため、発症してから対処するのではなく、事前にばく露を減らすことが重要です。

神経障害

溶接ヒュームへのばく露により、神経障害などが起こる可能性があります。

特に、長期間ばく露される作業環境では注意が必要です。

作業者の健康管理を行うだけでなく、作業環境そのものを見直すことも重要になります。

肺がんなどのリスク

溶接ヒュームには、発がん性があることも確認されています。

そのため、肺がんなどのリスクもあります。

このような健康リスクを防ぐためにも、健康診断と溶接ヒューム対策を組み合わせる必要があります。

溶接ヒュームによる健康障害例

※出典: 厚生労働省 福岡労働局

関連記事: 溶接ヒューム対策で労災リスクを低減!健康被害の例と対策方法を解説!

溶接作業者の特殊健康診断とは?

溶接ヒュームには、ここまで紹介したような健康リスクがあります。

そのため、厚生労働省は特定化学物質障害予防規則、いわゆる特化則を改正しました。

そして、溶接ヒュームを特定化学物質に追加し、健康障害防止措置を義務付けました。

その1つが、特殊健康診断です。

ここでは、特殊健康診断の内容を整理します。

※参照資料:厚生労働省

健康診断をイメージさせる病院のMRU画像

1次検査|特定化学物質に関わる全員に対して実施

1次検査は、特定化学物質に関わる全員に対して実施されます。

主な検査内容は以下の通りです。

項目 内容
1 業務の経歴調査
2 作業条件の簡易検査
3 溶接ヒュームによる呼吸器、精神・神経症状の既往歴の有無の検査
4 呼吸器・精神・神経症状の有無の検査
5 握力の測定

このように、1次検査では、業務経歴や作業条件だけでなく、呼吸器や精神・神経症状の確認も行います。

また、握力の測定も含まれています。

つまり、溶接作業者の健康状態を確認するだけではありません。

作業条件も含めて確認する内容になっています。

2次検査|医師が必要と認めた場合に実施

2次検査は、1次検査の結果、医師が必要と認めた場合に実施されます。

主な検査内容は以下の通りです。

項目 内容
1 作業条件の調査
2 呼吸器に関する他覚症状等がある場合における胸部理学的検査等
3 パーキンソン症候群様症状に関する神経学的検査
4 医師が必要と認める場合は、尿中又は血液中のマンガン量の測定

2次検査では、より詳しい確認が行われます。

例えば、呼吸器に関する症状がある場合は、胸部理学的検査等を行います。

また、パーキンソン症候群様症状に関する神経学的検査も含まれます。

医師が必要と認める場合は、尿中又は血液中のマンガン量の測定も行われます。

じん肺健康診断も必要

特殊健康診断とは別に、じん肺健康診断も行う必要があります。

溶接作業では、溶接ヒュームや粉じんへのばく露が問題になります。

そのため、特殊健康診断だけでなく、じん肺に関する健康診断も重要です。

健康診断だけでなく作業環境改善も必要

特殊健康診断の項目には、溶接作業者の健康状態だけでなく、作業条件の調査も含まれています。

つまり、健康診断は作業者の状態を確認するだけではありません。

作業現場の改善にもつながる情報を確認するものです。

そのため、溶接作業者の作業環境を良くするには、溶接ヒュームのばく露対策が必要です。

溶接ヒューム対策には何が必要か

溶接作業者の健康を守るには、特殊健康診断だけでは不十分です。

健康診断で状態を確認しながら、作業環境そのものを改善する必要があります。

そのためには、溶接ヒュームへのばく露を減らす対策が重要です。

主な対策としては、以下があります。

  • 防護マスクの着用
  • 換気装置の導入
  • ヒュームコレクターの導入
  • 作業条件の見直し
  • 作業環境の改善

このように、複数の対策を組み合わせることが重要です。

溶接ヒュームを吸引捕集する装置「ヒュームコレクター」

溶接ヒュームから作業者を守るうえで、有効な手段の1つがヒュームコレクターの導入です。

ヒュームコレクターは、溶接ヒュームを吸引する装置です。

さらに、吸引したヒュームを捕集します。

溶接ヒュームを吸引しているヒュームコレクター

ヒュームコレクターが有効な理由

ヒュームコレクターは、溶接ヒュームを吸引するだけではありません。

捕集するための装置でもあります。

そのため、ヒュームを作業場内に蔓延させるリスクを軽減できます。

もちろん、ヒュームコレクターだけで全てが解決するわけではありません。

防護マスクや換気装置なども組み合わせる必要があります。

この組み合わせによって、周囲で働く人々の安全と健康にも配慮できます。

また、作業環境をきれいに保つ効果も期待できます。

関連記事: 溶接現場の換気方法とは?3つの方法と溶接ヒューム対策を解説!

赤松電機製作所のオニカゼ ヒュームコレクター

赤松電機製作所では、溶接ヒューム対策に対応するヒュームコレクターを展開しています。

PRODUCT LINEUP

オニカゼ ヒュームコレクターラインナップ

溶接ヒューム対策に対応する主力2製品を、用途別に比較しやすく整理しました。

オニカゼ ヒュームスモーカー FSM の製品ロゴ

COMPACT FUME COLLECTION

ヒュームスモーカー(FSM)

小型・100V・導入しやすい。

小型ヒュームコレクター ヒュームスモーカー FSM の製品外観

100Vでもしっかり大風量。コンパクト設計で、溶接ヒューム対策を始めやすいシリーズです。

オニカゼ スーパーコレクター FM-220 の製品ロゴ

FIRE SAFETY & FUME CONTROL

スーパーコレクター(FM-220)

防火対策をより重視。

乾湿複合型集塵機 スーパーコレクター FM-220 の製品外観

乾湿複合型で、火災事故防止を重視したシリーズです。

縦画面では横にスワイプしてご覧いただけます

溶接作業の健康診断とヒューム対策に関するよくある質問

ここでは、溶接作業の健康診断と溶接ヒューム対策に関するよくある質問をまとめます。

溶接ヒュームとは何ですか?

溶接ヒュームとは、金属アーク溶接等で発生する物質です。

人体に悪影響をもたらすリスクが高いと判断されました。

そのため、令和3年4月より特化則が適応されました。

特定化学物質とは何ですか?

特定化学物質とは、人間の健康や環境に対するリスクが高いとされる化学物質です。

管理や規制が必要な物質を指します。

第1類物質、第2類物質、第3類物質に分類されています。

溶接作業ではどのような健康障害がありますか?

溶接ヒュームへの長期間のばく露により、じん肺や神経障害などが起こる可能性があります。

また、発がん性があることも確認されています。

そのため、肺がんなどのリスクもあります。

特殊健康診断では何を確認しますか?

1次検査では、業務の経歴調査、作業条件の簡易検査などを行います。

また、呼吸器、精神・神経症状の確認や握力の測定も含まれます。

2次検査では、医師が必要と認めた場合に、より詳しい検査を行います。

特殊健康診断だけで十分ですか?

特殊健康診断だけでは十分とはいえません。

健康診断は、作業者の健康状態を確認するためのものです。

作業環境を改善するには、溶接ヒュームのばく露対策も必要です。

ヒュームコレクターは何に役立ちますか?

ヒュームコレクターは、溶接ヒュームを吸引し、捕集する装置です。

ヒュームを蔓延させるリスクを軽減できます。

防護マスクや換気装置と組み合わせることで、作業環境をきれいに保つ効果も期待できます。

まとめ|特殊健康診断と溶接ヒューム対策を組み合わせることが重要

今回は、溶接作業の健康診断と、溶接ヒューム対策の1つであるヒュームコレクターについて紹介しました。

溶接ヒュームは、人体に悪影響をもたらすリスクが高いと判断されています。

そのため、令和3年4月より特化則が適応されました。

企業は、溶接作業者の健康や作業環境改善のために、さまざまな対応が必要です。

その1つが、特殊健康診断です。

特殊健康診断では、業務の経歴や作業条件を確認します。

また、呼吸器、精神・神経症状の確認や握力の測定なども行います。

必要に応じて、2次検査も行われます。

さらに、特殊健康診断とは別に、じん肺健康診断も行う必要があります。

ただし、健康診断だけで溶接ヒューム対策が完了するわけではありません。

労働者の健康管理を行いながら、ヒュームコレクターを含めた溶接ヒューム対策を行うことが必要です。

溶接作業者の健康を守るためにも、健康診断と作業環境改善をセットで考えましょう。

お問い合わせ・資料請求

溶接作業の健康診断や溶接ヒューム対策でお困りの場合は、赤松電機製作所までお気軽にお問い合わせください。

お客様の溶接作業環境や運用状況を確認したうえで、最適なヒュームコレクターをご提案いたします。

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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