「フィルター式」ミストコレクターの特徴と活用事例を解説!
『ミストコレクターにおける”フィルター式”って?』と疑問に思っている方も多いのではないでしょうか。
フィルター式のミストコレクターを導入しようとしても、特徴や使用事例について知らないと、自社に本当に適したモデルなのか判断できませんよね。
そこで本記事では、フィルター式ミストコレクターの特徴・メリット・デメリット、オイルミスト・油煙への対応、他方式との比較について詳しく解説していきます。

また、フィルター式以外のミストコレクターについても紹介していますので、比較検討の際の参考にしてみてください。
1. ミストコレクターにおける「フィルター式」の特徴
1-1. 基本的な仕組み
ミストコレクターは、工作機械による切削油を使用した金属加工時に発生する「オイルミスト」を吸引・除去するための機器です。
その中でも、フィルター式のミストコレクターは最も一般的な方式で、以下の仕組みで動作します。
フィルター式の捕集プロセス:
- ファンによってオイルミストを吸引
- 細い繊維を織り込んだり、溶着したりして立体的に構成したフィルターを通す
- フィルターが微細な粒子をろ過・捕集
- 清浄化された空気を排気
1-2. フィルター式のメリット(利点)
フィルター式が最も一般的である理由は、以下のメリットがあるからです。
フィルター式の主なメリット:
- シンプルな構造:構造が単純で、専門知識がなくても簡単に操作できる
- 安全性が高い:電気集塵式と比較しても安全性が高く、火災のリスクが低い
- 管理が容易:現場での管理が容易で、メンテナンスが分かりやすい
- 初期費用が安い:他の方式と比べて導入コストが低い
- 実績が豊富:多くの工場で採用されており、技術サポートが充実している
これらのメリットにより、特に中小工場や初めてミストコレクターを導入する企業に選ばれています。
1-3. フィルター式のデメリット(課題)
一方で、フィルター式にはいくつかの課題があります。
フィルター式の主なデメリット:
- 目詰まりのリスク:オイルミスト中に粉塵成分が多いと目詰まりしやすい
- 消費電力が大きい:フィルターの通気抵抗が高いため、電動機の消費動力が大きくなる
- 継続的な廃棄費用:交換後の使用済みフィルターは産業廃棄物となり、継続的な廃棄費用が発生
- メンテナンス手間:定期的なフィルター交換・洗浄が必要
特に、粉塵成分が多い加工条件ではフィルターの目詰まりが頻繁になる可能性があるため、選定時には加工条件をしっかり確認する必要があります。
1-4. フィルター式選定のポイント
フィルター式を選ぶ際には、以下のポイントを確認しましょう。
フィルター式選定時の確認事項:
- 加工条件:粉塵成分がどの程度含まれているか
- 油煙対応の有無:油煙が発生する場合は、油煙対応フィルター搭載モデルを選択
- メンテナンス体制:定期的なフィルター交換が可能か
- 予算:初期費用とランニングコスト(フィルター交換費用)の合計を検討
2. 「フィルター式」ミストコレクターで対策できる『オイルミスト』と『油煙』とは
2-1. オイルミストの定義と特性
**「オイルミスト」**とは、工作機械に使用される潤滑油が、機械の稼働によって飛散されることにより生じ、微粒子化して空気中に浮遊している油のことを指します。
オイルミストが多く発生する加工条件:
- 高圧給油加工
- 高速切削加工
- 研削加工
2-2. オイルミストによる悪影響
オイルミストを発生したまま放置しておくことで、人体や作業環境・地球環境などに深刻な悪影響を及ぼしてしまいます。
オイルミストによる具体的な悪影響:
人体への影響:
- 肌荒れや皮膚疾患
- 呼吸器系の疾患
- 目の充血やドライアイ
- アレルギー症状の悪化
作業環境への影響:
- オイルミストの油分が床に付着することによる転倒・滑落などの労働災害
- 視界の悪化による作業ミス増加
- 機械設備の故障リスク増加
- 製品品質の低下
関連記事: 「オイルミスト」の悪影響とは?人体・環境など3視点で完全解説
2-3. 油煙の定義と特性
一方、**「油煙」**とは、高回転や高圧の重切削加工や油性切削油を使用する場合に発生する、オイルミストより微小な粒子のことを指します。
油煙の特性:
- オイルミストより粒子がより微細(通常のフィルター式では捕集困難)
- 視界不良や環境汚染が顕著
- 従業員の呼吸器系への影響が強い
2-4. フィルター式による対策
標準的なフィルター式ミストコレクターは、オイルミストの捕集に対応していますが、油煙対応には専門のフィルターが必要です。
加えて、油煙対応フィルター搭載モデルを選定することで、以下が実現できます。
油煙対応フィルター搭載モデルのメリット:
- オイルミストだけでなく油煙も効果的に捕集
- 後付けフィルター不要(標準仕様で対応)
- 微細ミストレベルの粒子まで捕集可能
切削加工条件に合わせて適切なミストコレクターを選定し、オイルミストと油煙の両方をしっかりと吸引・除去できるようにしましょう。
関連記事: 「油煙」の原因と対策を完全解説|工場・キッチン・リビング別ガイド
3. 「フィルター式」以外のミストコレクター|他方式との比較
フィルター式以外のミストコレクターには、主にフィルターレス式と電気集塵式があります。
各方式の特徴を理解することで、自社の加工条件に最適なモデルを選定できます。
3-1. フィルターレス式
基本的な仕組み:
フィルターレス式は、フィルターに代わる捕集ユニットでオイルミストを捕集する方式です。
フィルターレス式の代表である遠心分離式は、オイルミストの油分を遠心力を使って分離させます。また、ディスク式は、内部にあるディスクを高速回転させることにより、オイルミストを弾き飛ばします。
フィルターレス式のメリット:
- メンテナンス手間削減:フィルターを使用しないため、フィルター洗浄や交換の手間が大幅に軽減される
- 産業廃棄物削減:フィルター交換がないため、廃棄物が削減される
- コンパクト設計:軽量かつコンパクトなため、工作機械の上部にも設置しやすい
- 長期稼働が可能:ミスト、切粉、スラッジが内部に溜まることなく、長期間の稼働が可能
- 省エネ性能:消費電力を従来比で約50%削減可能
フィルターレス式のデメリット:
- 微細粒子対応の課題:1μm以下の微細なオイルミスト(サブミクロン粒子)は捕集が難しい
- 超微細粒子の漏出:油性オイルミストなど、本体では捕りきれない粒子が環境に漏出する可能性
選定時のポイント:
フィルターレス式を選ぶ際は、以下を確認しましょう:
- 捕集性能:超微細粒子対応が必須か否か
- メンテナンス削減:どの程度のメンテナンス削減が経営メリットになるか
- 省エネ性能:消費電力削減の優先度
- アフターフィルター対応:必要に応じてアフターフィルター追加が可能か
関連記事: 「ミストコレクターの選定方法」を風量・種類・設置別に完全解説
3-2. 電気集塵式
基本的な仕組み:
電気集塵式は、オイルミスト粒子に電荷を与え、集塵極に引き寄せることでダストを捕集する方式です。
高い捕集効率があるため、1μm以下の微細なオイルミスト粒子も捕集可能です。
電気集塵式のメリット:
- 超微細粒子対応:1μm以下の微細なオイルミスト粒子も高効率で捕集可能
- 目詰まりなし:フィルターを使用しないため、目詰まりのリスクが最も低い
- ランニングコスト低:電極は洗浄リサイクルが可能で、繰り返し使用できるためランニングコストが低い
- 産業廃棄物削減:フィルター交換がないため、廃棄物がほぼ発生しない
電気集塵式のデメリット:
- 高額な導入費用:他の方式と比較して本体価格が高い
- 安全面の課題:高電圧を使用するため、漏電や火災のリスクが存在し、取り扱いや設置場所に十分な注意が必要
- 高額なメンテナンス費用:電極の洗浄などのメンテナンスに高い費用や時間がかかる可能性
- 専門知識が必要:運用・保守に専門的な知識が必要
選定時のポイント:
電気集塵式を選ぶ際は、以下を確認しましょう:
- 超微細粒子対応の必須性:本当に必要か(コスト対効果を検討)
- 保守体制:電極洗浄のメンテナンスが可能か
- 設置環境:高電圧機器の安全設置が可能か
- 予算規模:導入コスト + メンテナンスコストの合計を検討

関連記事: 「ミストコレクターの構造」を種類別に解説|設置方法も紹介
4. 当社のフィルター式ミストコレクター|オニカゼ ヘビースモーカー(HVS)の実力
製品の特徴
赤松電機製作所が展開する**『オニカゼ ヘビースモーカー(HVS)』**は、フィルター式ミストコレクターの課題を解決した高性能モデルです。
4-1. 独自の捕集構造による目詰まり対策
当社は独自の段階的捕集構造を採用することで、フィルター詰まりの課題を大幅に軽減しています。
従来のフィルター式の課題:
- 粉塵成分が多いと目詰まりしやすい
- メンテナンス周期が短くなる
- 作業者の負担が大きい
オニカゼ ヘビースモーカーの改善:
- 段階的捕集構造により、粒子を段階的にろ過
- メンテナンス周期を長期化
- 作業者の負担を大幅に軽減
4-2. 油煙対応の標準搭載
一般的なフィルター式の課題:
- 通常のフィルターでは油煙を捕集できない
- 油煙対応には後付けフィルターが必要(追加費用・工事)
オニカゼ ヘビースモーカーの特徴:
- 後付けフィルター不要:標準仕様で油煙に対応
- 業界最高クラスの独自フィルターを搭載
- 0.3μm以上の微細粒子を99.93%捕集可能
これにより、油煙レベルまで捕集でき、従来よりもはるかに高い環境改善が実現できます。
4-3. 導入企業の声
オニカゼ ヘビースモーカーは、以下のような企業から高く評価されています。
導入企業の主な効果:
- メンテナンス時間削減:フィルター詰まりが少なくなり、定期メンテナンスの頻度が大幅に減少
- 環境改善:油煙までしっかり捕集されるため、工場内が劇的にきれいになったと報告
- 従業員満足度向上:作業環境の改善により、従業員の健康被害が減少し、定着率向上
- 長期的なコスト削減:メンテナンス工数削減とフィルター交換費用削減により、TCO(総所有コスト)が低下
製品仕様と選定情報
オニカゼ ヘビースモーカー(HVS)の詳細な仕様、サイズ選定などについては、以下のページをご参照ください。

5. まとめ|フィルター式ミストコレクターの選定と活用
今回は、フィルター式ミストコレクターの特徴、メリット・デメリット、他方式との比較について詳しく解説しました。
フィルター式の位置づけ
改めて整理すると:
フィルター式ミストコレクターは:
- 最も一般的で実績が豊富な方式
- シンプルな構造で安全性が高い
- 初期費用が最も低い
- 小~中型の工場導入に最適
導入時の重要なポイント
フィルター式を導入する際は、以下のポイントを必ず確認しましょう:
導入前のチェック項目:
- 加工条件の確認:粉塵成分の量、油煙の有無
- 油煙対応の必須性判断:油煙が発生する場合は、油煙対応モデルを選択
- メンテナンス体制の整備:定期的なフィルター交換が可能か
- ランニングコスト評価:初期費用だけでなく、フィルター交換費用を含めた総コストを検討
他方式との使い分け
各方式の選定基準:
正しい選定が生み出すメリット
フィルター式ミストコレクターを正しく選定・導入することで、以下が実現できます:
導入によるメリット:
- 従業員の健康維持と疾患予防
- 作業環境の大幅な改善
- 機械設備の故障リスク低減
- 生産性向上と製品品質の向上
- 企業イメージの向上とCSR実現
本記事を読み、フィルター式ミストコレクターについて理解が深まったのではないでしょうか。
ぜひミストコレクターの導入を検討し、従業員の健康を守り、工場環境の改善に取り組んでみてください。
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