「ミストコレクターの構造」を種類別に完全解説|設置方法も紹介

ミストコレクター
アイコン 投稿日: 2022/2/28 アイコン 更新日: 2026/4/8

金属加工における切削で発生するオイルミストを吸引・除去してくれる「ミストコレクター」の導入を考えている方も多いでしょう。

しかし、ミストコレクターには3つの種類があり、それぞれ構造が大きく異なります

構造の違いを理解しないまま導入すると、期待した効果が得られない可能性があります。

そこで本記事では、「ミストコレクターの構造」を種類別に詳しく解説していきます。

ミストコレクターの構造を種類別に解説。内部の部品や空気の流れを説明する3D図解を背景にした、設置方法も紹介するアイキャッチ画像。

加えて、設置方法についても説明していますので、ミストコレクターの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。

1. 「ミストコレクターの構造」と3つの種類

ミストコレクターは、オイルミストを吸引/捕集する構造によって以下の3つの種類に分けられます。

ミストコレクターの3つの種類:

  • フィルター式 – フィルターでろ過・捕集
  • フィルターレス式 – 遠心分離やディスク回転で分離
  • 電気集塵式 – 静電気で油分を吸着・収集

それぞれの特徴、捕集仕組み、メリット・デメリットについて詳しく解説していきます。

1-1. フィルター式「ミストコレクター」の構造

基本的な仕組み:

フィルター式のミストコレクターは、最も一般的な方式で、以下の捕集プロセスで動作します。

フィルター式の捕集仕組み:

  1. ファンによる吸引:ファンがオイルミストを吸い込む
  2. 複数段階のろ過:複数のフィルターを順に通す
  3. 粒子の捕集:各フィルターが微細な粒子をろ過・捕集
  4. 油分の排出:捕集したオイルミストはドレンホースから下部に排出

構造の特徴:

  • シンプルで理解しやすい構造
  • 初期コストが安い
  • メンテナンスが分かりやすい

メリット:

  • 最も導入実績が多く、技術サポートが充実
  • シンプルな構造で故障が少ない
  • 他の方式と比べて初期費用が低い
  • 安全性が高い(高電圧不使用)

デメリット:

  • フィルターの洗浄や交換が必要で継続的なメンテナンス費用が発生
  • 粉塵成分が多いと目詰まりしやすい
  • 消費電力が比較的大きい(フィルターの通気抵抗が高い)

油煙対応について:

製品によっては、オイルミストだけでなく、油性切削油などで発生する「微細ミスト」や「油煙」を標準仕様で捕集できるものがあります

油煙対応モデルを選ぶことで、より高い環境改善が実現できます。

赤松電機製作所】オニカゼ ヘビースモーカー(HVS)

赤松電機製作所の**『オニカゼ ヘビースモーカー』**は、フィルター式ミストコレクターの課題を解決した高性能モデルです。

オニカゼ ヘビースモーカーの特徴:

  • 「微細ミスト」「油煙」を標準仕様で捕集:後付けフィルター不要
  • ONIKAZE独自の段階的な捕集構造:各フィルターの負担を軽減し、メンテナンス周期を長期化
  • 工具不要のメンテナンス:フィルター洗浄・交換時に工具が不要で、作業者の負担を軽減
  • 業界最高クラスの捕集効率:0.3μm以上の微細粒子を99.93%捕集
油煙やオイルミストに対応するミストコレクターHVSの製品外観

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油煙やオイルミストが発生する現場に対応する、HVSシリーズの紹介動画です。

約30秒で特長をご覧いただけます。

関連記事: 「フィルター式」ミストコレクターの特徴と活用事例を解説

1-2. フィルターレス式「ミストコレクター」の構造

基本的な仕組み:

フィルターレス式は、フィルターの数を最小限に抑え、代わりの捕集ユニットでオイルミストを捕集する構造です。

フィルター式と比較して、メンテナンスの手間やランニングコストを抑えることができます。

主な捕集方式:

遠心分離方式:

  • 遠心力を利用して油分を分離させる
  • 油分と気体を効率的に分離

ディスク回転方式:

  • ディスク形状を高速回転させてオイルミストを弾き飛ばす
  • 装置の内壁に衝突させることで油分を分離

メリット:

  • メンテナンス手間の大幅削減:主要捕集部にフィルターがないため、フィルター洗浄・交換不要
  • 産業廃棄物削減:使用済みフィルターが出ないため、廃棄費用が削減される
  • 長期稼働が可能:ミスト、切粉、スラッジが内部に溜まらない
  • ドレン配管不要:面倒なドレン配管工事が不要(モデルによる)
  • 省エネ性能:消費電力を従来比で約50%削減可能な場合もある

デメリット:

  • 微細粒子の捕集が難しい:1μm以下の微細なオイルミスト(サブミクロン粒子)は捕集困難
  • 油煙対応には別途対応:「微細ミスト」や「油煙」の捕集は難しいため、必要に応じてアフターフィルター追加が必要
  • 使用条件の制限:水溶性の切削油使用、重切削加工でないことなど、使用条件を確認が必須

選定時の確認事項:

フィルターレス式を選ぶ際は、以下を確認しましょう:

  • 加工条件:使用している切削油の種類(水溶性か油性か)
  • 加工方式:重切削加工でないか
  • メンテナンス体制:定期的なメンテナンスが可能か
  • アフターフィルター対応:必要に応じてアフターフィルター追加が可能か

【赤松電機製作所】オニカゼ スマートミストマジック(SMG-R)

赤松電機製作所の**『オニカゼ スマートミストマジック』**は、フィルターレス式の利点を最大限に活かしたモデルです。

オニカゼ スマートミストマジックの特徴:

  • ONIKAZE独自の「マジックセパレーター」機構:遠心分離により、ミスト・切粉・スラッジを内部に溜めず、長期間稼働が可能
  • ドレン配管不要:面倒なドレン配管工事が不要
  • 最大約50%の省エネ:従来と同じ性能で1サイズ小型のモーターを採用し、消費電力とCO2排出を削減
  • アフターフィルター対応:必要に応じて0.3μm以上の粒子を99.93%捕集できるアフターフィルターを追加可能

【赤松電機製作所】オニカゼ スマートミストゼロ(SMX)

赤松電機製作所の**『オニカゼ スマートミストゼロ』**は、フィルターレス方式の新しい捕集方法として開発された高性能モデルです。

オニカゼ スマートミストゼロの特徴:

  • 新開発の「ロータリーマジック」機構:高い捕集性能と限りなくメンテナンスレス(ゼロ)を両立
  • スマートインターフェイス搭載:簡単に拡張オプションを取り付けできる
  • 自動化・見える化に対応:機械状態を可視化し、保守管理を効率化
微細なオイルミスト対策に対応するミストコレクターSMXの製品外観

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微細なオイルミスト対策や、メンテナンス負担の軽減を重視する現場に向けた、SMXシリーズの紹介動画です。

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1-3. 電気集塵式「ミストコレクター」の構造

基本的な仕組み:

電気集塵式のミストコレクターは、高電圧による静電気の力でオイルミスト粒子を捕集する構造です。

電気集塵式の捕集仕組み:

  1. コロナ放電:高電圧により「コロナ放電」を発生させる
  2. 帯電:オイルミスト粒子をコロナ放電で帯電させる
  3. 吸着:帯電した粒子が電気集塵極板(電極)に静電力で吸着・収集される
  4. 油分の排出:捕集したオイルミストは定期的に清掃される

捕集性能の特徴:

  • 超微細粒子対応:1μm以下の微細なオイルミスト粒子も高効率で捕集可能
  • 油煙対応:「微細ミスト」や「油煙」などの超微細粒子も捕集可能

メリット:

  • 最高の捕集性能:1μm以下の微細粒子も効率的に捕集
  • 目詰まりなし:フィルターを使用しないため、目詰まりのリスクが最も低い
  • ランニングコスト低:電極は洗浄リサイクルが可能で、繰り返し使用できるためランニングコストが低い
  • 産業廃棄物削減:フィルター交換がないため、廃棄物がほぼ発生しない

デメリット:

  • 高額な導入費用:他の方式と比較して本体価格が最も高い
  • 安全面の課題:高電圧を使用するため、漏電や火災のリスクが存在し、取り扱いや設置場所に十分な注意が必要
  • 高額なメンテナンス費用:電極の洗浄などのメンテナンスに高い費用や時間がかかる可能性
  • 専門知識が必要:運用・保守に専門的な知識が必要

選定時の確認事項:

電気集塵式を選ぶ際は、以下を確認しましょう:

  • 超微細粒子対応の必須性:本当に必要か(コスト対効果を検討)
  • 予算規模:導入コスト + メンテナンスコストの合計を検討
  • 保守体制:電極洗浄のメンテナンスが可能か
  • 設置環境:高電圧機器の安全設置が可能か
3つの種類(フィルター式・フィルターレス式・電気式)を比較した表

2. 「ミストコレクターの構造」によって除去できる『オイルミスト』とは

オイルミストの発生源

そもそもミストコレクターの構造によって除去できる「オイルミスト」は、金属加工における工作機械での切削時に発生します

オイルミストが発生する加工条件:

  • 高圧給油加工
  • 高速切削加工
  • 研削加工

オイルミストによる悪影響

発生したオイルミストを放っておくと、人体や環境に深刻な悪影響を及ぼしてしまいます。

オイルミストによる具体的な悪影響:

人体への悪影響:

  • 目に入ることによる目の疾患(充血、ドライアイ)
  • 吸い込むことによる呼吸器系の疾患
  • 皮膚付着による肌荒れや皮膚疾患
  • アレルギー症状の悪化

作業環境への悪影響:

  • オイルミストの油分が床に付着することで滑りやすくなり、転倒・滑落などの労働災害が発生
  • 視界不良による作業ミス増加
  • 機械設備への油分付着による故障リスク増加
  • 製品品質の低下

地球環境への悪影響:

  • 大気汚染:工場から放出されるオイルミストによる大気汚染
  • 環境汚染:工場周辺の土壌・水質汚濁
  • エネルギー消費増加:空調機などの内部にオイルミストが侵入し、効率低下とエネルギー消費増加

早期の除去が重要

以上のような悪影響を防ぐため、オイルミストは発生した時点で早期に除去することが大切です。

自社の加工条件に合った適切なミストコレクター構造を選び、確実に吸引・除去する必要があります。

関連記事: 「オイルミスト」の悪影響とは?人体・環境など3視点で完全解説

オイルミストの悪影響と対策を示す比較図

3. ミストコレクターの設置方法

ミストコレクターの構造について理解できたら、最後にミストコレクターの設置方法についても理解しておくことが重要です。

設置方法を誤ると、せっかく導入したミストコレクターの性能が十分に発揮されない可能性があります。

ミストコレクターの設置方法は、以下の3つに分けられます

H3:3-1. 直結吸気方式|密閉型工作機械の標準設置方法

概要:

直結吸気方式は、マシニングセンターや複合加工機などの加工部が密閉された工作機械で主に採用される方式です。

設置方法の仕組み:

  • 工作機械内で発生したオイルミストを直接吸引・除去する構造
  • 工作機械とミストコレクターをダクトで接続
  • 吸引されたオイルミストはミストコレクター内で捕集される

特徴と利点:

  • 捕集効率が高い:直接吸引するため、ミストの漏出が最小限
  • 最も一般的な方式:多くの工場で採用されている
  • シンプルな構成:工作機械とミストコレクターを接続するだけ

選定のポイント:

  • 使用している工作機械の加工室エリアや切削条件によりミストコレクターのサイズを選定
  • ダクトホースの径や長さを機械仕様に合わせて選定
  • 複数台の工作機械を1つのミストコレクターに接続する場合は吸引力配分に注意

H3:3-2. 局所吸気方式|開放型工作機械の柔軟な設置方法

概要:

局所吸気方式は、直接ミストコレクターを設置できない研削盤のような加工部が密閉されていない工作機械に採用される方式です。

設置方法の理由:

加工部が密閉されていないため、直結吸気方式のようにミストコレクターを直結できません。

そのため、フードでオイルミストを集めて吸気する局所吸気方式が採用されています。

設置方法の仕組み:

  • フード(吸収装置)を工作機械上部に配置
  • フードがオイルミストを集める
  • 集められたミストをミストコレクターに吸引

選定のポイント:

  • フードの位置:ミスト発生源に最大限近い位置に配置
  • オイルミストの流れ方向:工作機械によって発生するオイルミストの流れる方向によっては、うまく吸気できない場合があるため、設置の際には十分に検討
  • 面風速の確保:フードから吸い込む空気の速度を適切に設定

H3:3-3. 広域吸気方式|工場全体の総合的な環境改善

概要:

広域吸気方式は、直結吸気方式や局所吸気方式のミストコレクターを設置しても、すべてのオイルミストを除去できない場合の設置方法です。

具体的な方法:

パターン1:空調一体型

  • 工場全体のオイルミストを吸収できるミストコレクター機能が付いた空調機を導入
  • 工場全体の環境改善が可能

パターン2:分散設置

  • 小型のミストコレクターを工場内に複数分散設置
  • 各エリアのミストを効率的に除去

ハイブリッド型の採用(推奨):

実務的には、「直結吸気方式+広域吸気方式」のように、複数の方式を組み合わせて活用するのが最も効果的です。

組み合わせのメリット:

  • 各工作機械からのミスト除去(直結吸気で効率化)
  • 工場全体の微細粒子対策(広域吸気で補完)
  • より排気効率が良くなる
  • 工場環境が均一に改善される
3つの設置方法を工作機械と一緒に示す図解

4. まとめ|ミストコレクター構造の理解が最適な選定につながる

今回は、「ミストコレクターの構造」を種類別に詳しく解説し、加えて設置方法についても説明しました。

ミストコレクター構造の3つの方式まとめ
改めて整理すると、ミストコレクターは構造によって以下の3種類に分けられます:

1. フィルター式

  • 仕組み:複数のフィルターでろ過・捕集
  • 特徴:最も一般的で実績が豊富
  • 最適な環境:小~中型工場、初期費用重視

2. フィルターレス式

  • 仕組み:遠心分離やディスク回転で油分を分離
  • 特徴:メンテナンス削減、省エネ
  • 最適な環境:連続稼働工場、メンテナンス削減重視

3. 電気集塵式

  • 仕組み:静電気の力で油分を吸着・収集
  • 特徴:最高の捕集性能、超微細粒子対応
  • 最適な環境:高精度加工工場、高額予算可能

正しい構造選定が生み出すメリット

ミストコレクターの構造を正しく理解して選定することで、以下が実現できます:

導入によるメリット:

  • 従業員の健康維持と疾患予防
  • 作業環境の大幅な改善
  • 機械設備の故障リスク低減
  • 生産性向上と製品品質の向上
  • 企業イメージの向上とCSR実現

ミストコレクター選定のステップ

本記事で紹介したミストコレクターの構造を参考にして、以下のステップで選定することをお勧めします:

ステップ1:加工条件の確認

  • 使用している切削油の種類
  • 加工方式(高速、重切削など)
  • 発生するミスト量

ステップ2:構造方式の選定

  • 加工条件に合った方式を選択
  • メリット・デメリットを検討

ステップ3:設置方法の決定

  • 工作機械の形状(密閉型か開放型か)
  • 工場レイアウトに基づいて最適な設置方法を選択

このプロセスを通じて、自社の工作機械に最適なミストコレクターが選定できます。

赤松電機製作所のミストコレクター製品

赤松電機製作所が展開する『ONIKAZEミストコレクター』は、様々な加工条件を考慮し、3種類の充実したラインナップをご用意しています。

PRODUCT LINEUP

オニカゼ ミストコレクターラインナップ

油煙・オイルミスト対策の主力3シリーズを、用途別に比較しやすく整理しました。

OIL SMOKE & MIST

ヘビースモーカー(HVS)

油煙対応で高捕集。

油煙やオイルミスト対策に対応するオニカゼ ヘビースモーカー HVS の製品外観

油性切削油や油煙を伴う環境に適したシリーズです。

ENERGY SAVING

スマートミストマジック(SMG)

省エネと負担軽減。

省エネ性とメンテナンス性を重視したオニカゼ スマートミストマジック SMG-R の製品外観

消費電力とCO2削減など環境問題に対応したシリーズです。

FINE PARTICLE CONTROL

スマートミストゼロ(SMX)

限りなくメンテナンスレス。

超微細粒子の捕集に対応するオニカゼ スマートミストゼロ SMX の製品外観

高捕集とメンテ負荷軽減を実現したシリーズです。

縦画面では横にスワイプしてご覧いただけます

気になられた方は、お気軽にお問い合わせください。お客様の工場環境を詳しくお伺いした上で、最適なミストコレクターのご提案をさせていただきます。

▲HVSでドライアイス吸ってみた!【赤松電機製作所】

監修者プロフィール

経営企画室/インサイドセールス

倉津 裕太

赤松電機製作所に入社後、営業部にて西日本エリアを担当し、切削・研削現場におけるミスト対策、溶接現場におけるヒューム対策の提案営業に従事。
現在は経営企画室 /インサイドセールスとして、製造業の現場課題に対する情報提供を行うとともに、脱炭素経営PROJECTにも参画。
現場と経営の両視点から、ミスト・ヒューム対策や省エネを含めた工場環境改善に関する、導入検討に役立つ実務情報を発信している。

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